中学校の登校日数が10日間だった高校1年生が、週1回の登校・文化祭参加ができるようになるまで

中学校の登校日数が10日間だった高校1年生が、週1回の登校・文化祭参加ができるようになるまでの事例
入学・転入当初小6から不登校で、家族以外との会話が難しい状態
記事掲載時点週1回、自分で登校し、文化祭に参加

小学校や中学校で不登校が長く続くと、「高校でも登校できないのではないか」「学校行事に参加したり、友達と過ごしたりできないままなのではないか」と不安を感じる保護者様もいらっしゃいます。

この記事で紹介するのは、高校1年生でキミノ高等学院へ新入学したAさんの支援事例です。Aさんは小学6年生から不登校が続き、中学校3年間の登校日数は合計10日間でした。家族以外の人と話すことも難しく、学校行事に参加した経験もありませんでした。

Aさんへの支援は、カメラとマイクを使わない週1回のオンライン面談から始まりました。先生が話し、Aさんはチャットで返事をする方法です。さらに、朝の生活リズムづくり、2週間に1回の登校面談を経て、Aさんは週1回、自分で登校できるようになりました。

その後は、文化祭に向けて先生やクラスメイトと少人数で練習を重ね、当日はレモネードの提供を担当し、集合写真にも加わりました。翌月の球技大会にも、自分から参加しました。

ここでは、会話や登校への不安が強かったAさんが、安心できる関わりを少しずつ増やし、学校行事へ参加するまでの経過をご紹介します。

※キミノ高等学院での実際の事例をもとに作成しています。変化の過程や感じ方には個人差があります。

新入学当初のAさんは、登校や家族以外との会話が難しい状態だった

Aさんは小学6年生から不登校が続き、中学校3年間で学校へ行けたのは合計10日間でした。学校行事へ参加したことはなく、高校へ通う自分の姿も想像できない状態でした。

学年(新入学時) 高校1年生
入学形態 新入学
新入学当初の状態 小学6年生から不登校が続き、中学校3年間の登校日数は合計10日間
新入学当初の主な不安 家族以外の人と話すこと、学校へ登校すること、集団活動や学校行事への参加

Aさんは、家族以外の人がいる場面で言葉を出すことが難しく、人と関わることに強い不安を感じていました。一人で外出した経験もありませんでした。そこで最初の面談では、Aさんに発話を求めず、チャットで返事をする方法を選びました。

チャットでのオンライン面談から、週1回の登校へ進んだ

Aさんは、まず自宅からチャットでオンライン面談に参加しました。その後、朝の生活リズムづくりに取り組み、2週間に1回の登校面談へ進みました。

カメラもマイクも使わず、チャットだけで先生とつながった

最初に行ったのは、週1回のオンライン面談でした。Aさんはカメラとマイクを使わず、先生の問いかけにチャットで返事をしました。

先生は、Aさんが好きな犬やゲームについて話し、Aさんはチャットで返事をしました。発話を求めない方法で、週1回の面談を続けました。

カメラとマイクを使わず、チャットで先生のオンライン面談に参加する高校生のイメージ
※画像はイメージです。

カーテンを開けることから、朝9時に起きる生活リズムをつくった

次に取り組んだのは、登校そのものではなく、自宅での朝の過ごし方でした。起きたらカーテンを開ける、布団を整える、軽く体を動かすという小さな行動から始めました。

先生と毎日の起床時刻を決め、実際にできた時間を確認しながら、起きる時刻を少しずつ早めました。その結果、Aさんは朝9時に起きる生活リズムをつくれるようになりました。

朝起きてカーテンを開け、生活リズムを整える高校生のイメージ
※画像はイメージです。

2週間に1回の登校面談を3か月続け、週1回の登校につなげた

オンライン面談と朝の生活リズムづくりを続けた後、Aさんは2週間に1回、学校で面談をすることから登校を始めました。

この面談を3か月続けた後、登校頻度は週1回になりました。記事掲載時点では、付き添いがなくても自分で学校へ行けるようになっています。

少人数で何度も練習し、初めて文化祭に参加した

週1回の登校が続くようになった後、Aさんは文化祭への参加に挑戦しました。Aさんにとっては、それまで経験したことのない学校行事でした。

先生との1対1から、クラスメイトを含む練習へ広げた

文化祭では、レモネードづくりと提供を担当しました。初めから大勢で練習するのではなく、まず先生と1対1で試作し、次にクラスメイト一人を加えて、作り方や渡し方を繰り返し確認しました。

Aさんは自宅でも練習を続け、完成したレモネードを学校へ持ってきました。先生はそのたびに取り組みを褒め、本番まで試作と提供の練習を重ねました。

当日はレモネードを提供し、クラスの集合写真にも加わった

文化祭当日、Aさんは別室でレモネードを作り、来場者へ渡す役割にも取り組みました。担当したレモネードの販売数は生徒の中で最も多くなり、最後はクラスの集合写真にも加わりました。

文化祭でレモネードを手渡す高校生と、そばで見守る先生やクラスメイトのイメージ
※画像はイメージです。

さらに翌月の球技大会には、Aさん自身が参加を希望し、実際に参加しました。

文化祭を終え、次の行事にも参加したい気持ちが生まれた

お母様によると、文化祭を終えたAさんは、文化祭がとても楽しかったと喜び、これからも行事に参加したいことや、高校では青春したいという気持ちを話したそうです。

Aさんは、文化祭で自分の力で初めて得たお金を封筒に大切にしまい、プレゼントを買いたいとお母様に話しました。参加できたという結果だけでなく、次の行事にも参加したいという希望をAさん自身が持てたことも、この事例で確認できる変化です。

Aさんへの支援からわかる、キミノ高等学院が大切にしていること

ここまでの経過から、キミノ高等学院が、会話や集団参加に不安を抱える生徒への支援で大切にしている3つの考え方をご紹介します。

話すことを求めず、本人が使える方法で関係を築く

Aさんとの最初の面談では、カメラもマイクも使わず、チャットでの返事を受け取りました。発話を面談参加の条件にせず、Aさんが使える方法から先生との関わりを始めました。

登校の前に、生活の中でできる小さな行動を整える

最初から登校日数を増やすのではなく、朝にカーテンを開ける、布団を整える、軽く体を動かすことから始めました。自宅で取り組める行動を重ね、登校しやすい生活リズムを一緒につくりました。

何事も小さなステップから始める

文化祭に向けて、先生との1対1から練習を始め、クラスメイトを一人加える形へ広げました。Aさんは自宅でも試作し、本番までレモネードの作り方と渡し方を繰り返し練習しました。

長期の不登校や人との会話についてよくある質問

Q.小学校や中学校から不登校が続いていても相談できますか?

はい、ご相談いただけます。これまでの登校日数だけで判断せず、現在の生活や不安、本人ができることを確認します。Aさんの場合は、週1回のオンライン面談から始め、2週間に1回の登校面談へ進みました。

Q.人前で話すことが難しくても面談に参加できますか?

ご本人の状態に応じて、チャットなど、発話以外の方法から相談できます。Aさんは、先生の話を聞き、チャットで返事をすることから始めました。面談方法は、ご本人と保護者様の希望を確認して検討します。

Q.最初から週1回、学校へ行く必要がありますか?

必ずしも、最初から週1回登校する必要はありません。Aさんはオンライン面談から始め、朝の生活リズムを整えた後、2週間に1回の登校面談を3か月続けました。登校頻度や滞在時間は、ご本人の状態に合わせて考えます。

Q.学校行事には必ず参加しなければなりませんか?

すべての行事への参加を一律に求めるものではありません。参加したい気持ちや不安を確認し、必要に応じて役割、関わる人数、練習方法を調整します。Aさんの場合は、先生との1対1の練習から始めました。

Q.生活リズムが整っていなくても相談できますか?

ご相談いただけます。Aさんは、起きたらカーテンを開ける、布団を整える、軽く体を動かすことから始めました。現在の生活を伺い、毎日続けられる小さな行動を一緒に考えます。

「まだ毎日は通えない」という段階からご相談ください

「進学・転校しても通えるだろうか」「教室に入るのはまだ難しい」と迷っている段階でも、ご相談いただけます。現在の登校状況や生活の様子を伺い、ご本人が無理なく始められる方法を一緒に考えます。

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この記事の制作

キミノ高等学院は、大学進学に特化した通信制サポート校です。実際の支援事例や不登校の段階別の考え方をもとに、不登校や高校進学・転入学に関する情報を発信しています。