現代文の小説=LINEの履歴を追う…?小説読解法!
夏目漱石の『こころ』
夏目漱石の代表作で『こころ』というものがあります。そう、現代文の教科書に載っているあれです。
恋に悩んだKはその悩みを若かりし日の先生に打ち明けます。それを聞いて先生はKに冷たく言い放つのです。先生はKと同じ女の子が好きでした。
向上心がないやつは馬鹿だ――。
それはK自身、自覚していたことでした。まもなくしてKは自殺します。Kの死後、それを言い放った先生はずっとそのことに後悔している……と、まあこんな内容です。
Kと先生のLINE?!
先の例はメイン部分を抜粋ですが、これをLINEの遣り取りに置き換えるとどうでしょうか。吹き出しに「向上心がないやつは馬鹿だ」と入ります……お前も十分馬鹿じゃねえ?って突っ込みたくなるのは私だけ……でもなんだか少しポップになりますよね。じゃあLINEと何が違うのでしょうか。
そもそも小説といっても文字を追い掛ける点ではLINEと一緒です。しかも履歴を追える点でも同様です。これが試験問題となると緊張して違ったものにみえることがあります。しかし、繰り返しですが、文字を追い、人の気持ちを推し量ることにおいて何が違うのでしょうか。
大切なのはお互いの気持ち
どちらにとって大切なのは「相手がどういう気持ちでこの返答をしたのか」です。その根拠を文章の中からみつけるのが試験です。ですが根拠をみつける作業に試験もLINEも関係ありません。逆にLINEでそれを行えば、普段の友人関係でも発見があるかもしれません。どの場面でも相手の気持ちを推し量ればみえてくるものがあります。どちらとも推し量り、相手を思いやるが重要なのでしょうね。
友達とのやり取りで培った「思いやり」を、答案に活用してみましょう。いい解答になれば、と期待しています。