過去完了形とは?現在完了形との違いをしっかりおさえて整理しよう!
過去完了形というのは、現在完了形と比較すると勉強しやすいです。
過去完了形には主に「継続」、「経験」、「完了」という性質がありますが、これは現在完了形にもある性質です。
そして、過去完了形を勉強するときには、現在完了形との違いを正確におさえることが大事です!
過去完了形とは?
それでは、過去完了形について、現在完了形との違いから考えてみましょう。
現在完了形は、have(has) の後に過去分詞を続けます。
have(has)+過去分詞
となります。
過去完了形は、had の後に過去分詞を続けます。
had+過去分詞
となります。
現在完了形は、過去の時点から現在までの、継続、経験、完了・結果を示します。
基点となるのは現在です。その現在までの、継続などを示します。
しかし、過去完了形というのは、過去のある時点までの、継続、経験、完了・結果を示します。
基点となるのは、過去のある時点となります。
そして、過去のある時点よりもさらに前の時点から、過去のある時点までの継続などを示すということになります。
この、過去のある時点よりもさらに前の時点というのを、大過去といいます。
それでは、例文を見てみましょう。
比較するため、まずは現在完了形からの例文にします。
I have just finished my homework.
(私はちょうど宿題を終えたところです。)
これは現在完了形の文です。
宿題を始めたという過去の時点があり、そこから基点となる現在までのことを示しています。
この例では、現在の時点で、「宿題を終えた」ということで、完了や結果を示しています。
I have already finished my homework.
(私はすでに宿題を終えています。)
なら、宿題を始めたという過去の時点から、基点となる現在までの間に宿題を終わらせた、ということになります。
これも現在完了形の文です。
それでは次に、過去完了形の例文を見てみましょう。
I had already finished my homework when my father came home.
(私は父が帰宅したとき、すでに宿題を終えていた。)
どうでしょうか。これは過去完了形の文です。
過去完了形は、基点となるのは過去のある時点であり、その過去のある時点までの継続などを示します。
上記の例文でいえば、「父が帰宅したとき」というのが過去のある時点であり、when my father came home と示されています。
その「父が帰宅したとき」という過去のある時点よりもさらに前、私は宿題を終えていた、ということになります。
これは過去完了形の考え方です。
この例でいえば、宿題を始めた時点というのは、「父が帰宅したとき」という過去のある時点よりもさらに前の時点となります。
そして基点となる「父が帰宅したとき」という過去のある時点までで、宿題はすでに終えられています。
このように過去完了形というのは、現在の話は登場しません。
過去のある時点が基点となるのであり、現在までの話にはならないのです。
まずはこのことをしっかりとおさえましょう!
過去完了形の否定文と疑問文
過去完了形の否定文と疑問文は、基本的に現在完了形と同じように考えることができます。
ここでも例文をふまえて見てみましょう。
I had not finished my homework when my father came home.
(私は父が帰宅したとき、まだ宿題を終えていなかった。)
これは、過去完了形の否定文です。
過去完了形の否定文は、had の後に not を入れます。hadn’t と短縮することもできます。
上記の文なら、
I hadn’t finished my homework when my father came home.
というように、短縮形を使えます。
これも、when my father came home というのが「父が帰宅したとき」という過去のある時点を示しており、その過去のある時点までの話として、「まだ宿題を終えていなかった」ということが示されています。
これは過去完了形の話になります。
もう一つ例文を見てみましょう。
I had never been to Tokyo before I was ten years old.
(私は十歳になるまで、一度も東京に行ったことがなかった。)
これは、過去完了形の否定文ですが、過去完了形の中の、経験についての否定文です。
have been to というのは、現在完了形では「~に行ったことがある」という経験を示すもので、過去完了形にすると、had been to で「~に行ったことがあった」となります。
そして、このような経験を示す完了形の否定は、never を使用します。never は、「一度も~ない」という意味があります。
過去完了形で never を使うときは、had の後に never を入れます。
そうすると、had never というまとまりになり、
I had never been to Tokyo before I was ten years old.
という、経験の過去完了形の否定文が出来上がります。
これも、before I was ten years old ということで、「私が十歳になるまで」という過去のある時点の話が登場します。
「私が十歳になる」という過去のある時点までの話として、「一度も東京に行ったことがなかった」ということが示されています。
これも過去完了形の話になります。
上記で見た been to や never というのは、現在完了形でも登場したもので、これが過去完了形でも使用されます。
次に、疑問文の例文です。
Had you finished your homework when your father came home?
(あなたは、あなたの父親が帰宅したときすでに宿題を終えていましたか。)
過去完了形の疑問文は、肯定文の主語の前に had を移動し、最後にクエスチョンマークをつけるという手順があります。
このやり方は現在完了形のときと同じ手順です。
以上のように、基本的に現在完了形のときと同じ考え方になるので、語順などについては現在完了形のときのポイントを思い出して考えてみましょう!
そのうえで、過去のある時点が基点になる、という過去完了形の考え方をしっかりと念頭におくようにしましょう。
まとめ
過去完了形を考えるときは、
had+過去分詞
という語順や、
過去のある時点を基点として、それまでの継続、経験、完了・結果を示す、
という考え方をしっかりとおさえましょう。
現在完了形が現在を基点として、それまでの継続、経験、完了・結果を示すのに対し、過去完了形は過去のある時点が基点となり、それまでのことを示すということになります。
この違いをしっかりと意識しましょう。
以下に例文をのせておきますので、過去完了形に注意しつつ、訳してみて下さい。
以下の英文を訳してみましょう。
(1)I had been in Tokyo for three years when you came to Tokyo.
(2)Had she finished her homework when her mother came home?
(3)He had visited Tokyo twice before he was ten years old.
<訳>
(1)あなたが東京に来たとき、私は三年間東京にいました。
(2)彼女は、彼女の母親が帰宅したとき宿題を終えていましたか。
(3)彼は十歳になるまで、二回東京を訪れたことがあった。
<補足説明>
まず、(1)についてです。ちょっとややこしいかもしれませんが、これは過去完了形の継続を示しています。when you came to Tokyo ということで、「あなたが東京に来たとき」というのが、過去のある時点となります。そして、その時点までの話として、私は三年間東京にいたことになる、という継続を示しています。 I had been in Tokyo for three years のうち、been in というのは、be動詞に「in+場所」で、「~にいる」という意味として使われています。そして、for three years というのは、現在完了形でもよく使用される for が使われています。「~の間」ということで、for three years で三年間となります。そして継続を示しています。
(2)については「彼女の母親が帰宅したとき」というのが過去のある時点であり、その時点までで「宿題を終えていた」のかどうかを聞いています。これは過去完了形の完了・結果の疑問文です。(3)は、「彼が十歳になった」ということが過去のある時点であり、その時点までの話として、二回東京を訪れたことがあるというように、過去完了形の経験を示しています。