二項定理と微分で整式の割り算を完全攻略! 数学力のある人は周期性に着目せよ!
余りとか割り算とか、ちゃんと式にできてますか?
問題文中に「余り」や「割り算」が出てきたときにみなさんはどうやってそれを式にしていますか?
実は余りや割り算を式にして解く方法にはパターンがあるので是非覚えておきましょう!
今回は、その中で二項定理を使う方法と微分を使う方法を詳しく紹介していきます!
ポイント
- まずは A = BQ + R の形で式を立てる。(A:割られる数、B:割る数、Q:商、R:余り)
- そのときに注意すべき点は、Rは必ず、Bの次数よりも低い。
- BQが0になるような変数の値を代入してみる。
- それだけでは答えが求まらない場合は、
- 二項定理を使う
- 微分を使う
- 周期性をつかう
- ふたつの余りの条件をうまく使う
例題
整式 h(x) = x25-x13+5 を(x-1)2で割った余りを求めろ。
考え方1
- 割り算を式にすると、x25-x13+5=(x-1)2Q+ax+b と書ける。((x-1)2は二次式だから余りは一次以下ということに注意!)
- 次に、x=1を代入すると5=a+bということがわかる。
- うーん、普通に代入するだけじゃaとbは求まらないなあ。よし、二項定理を使おう!
- 二項定理を使って、なんとか無理矢理(x-1)を出現させてみる。
- すると、{(x-1)+1}25-{(x-1)+1}13+5=(x-1)2Q+ax+b となり、
- より
- K(x-1)2+25(x-1)+1-{13(x-1)+1}=(x-1)2Q+ax+b と表すことができる(Kは(x-1)2でまとめたときの係数)
- よって両辺を比較すると、K=Qであり、ax+b = 12x-7 できた!
考え方2
- ただ割り算の式を立てただけではできないな。よし、微分を使おう!
- 両辺微分をすると、25x24-13x12=2(x-1)Q+(x-1)2Q’+a
- この状態でx=1を代入すると、12=a
- 5=a+bより、b=-7
- よって、余りは12x-7 できた!
一見すると、考え方2の方が簡単に余りが求めることができるので、微分だけでいいじゃん!
と思う人も多いと思います。しかし、実は、この微分で余りを求める方法は、今回のように割る数の次数が低いから早く導けるだけであって、
他の問題では非常に面倒なことになる場合もあります。ですから、是非二項定理から目を背けず、考え方1の方も習得しておいてください!