助動詞はここから!助動詞「ず」の用法
こんにちは。塾講師めるです。
今回は「助動詞「ず」の用法」を説明していきます!
1)助動詞「ず」の活用形と接続は?
まずは,助動詞「ず」の活用形と接続を確認しましょう。
…と言っても,動詞の未然形を考えるときに「ず」が使われるくらいですから,
助動詞「ず」はもちろん未然形接続だと判断することができます。
助動詞「ず」で注意しなければならないのは活用形です。ちょっと見てみましょう。
(未然形/連用形/終止形/連体形/已然形/命令形の順になっています)
「ず」:(ず)/ず /ず /ぬ /ね /
ざら ざり ざる ざれ ざれ
これを見て「あれ?」と思う方もいると思います。活用形が二種類ありますよね?
実は,助動詞「ず」には本活用と補助活用があるんです。
ここでは,上の段が本活用で,下の段が補助活用を表しています。
どちらの活用を用いるかは,助動詞「ず」の直後にある語で決まります。
助動詞「ず」の直後に助動詞がある場合は,補助活用を用いることが一般的です。
ちょっと例を挙げてみましょう。
京には見えぬ鳥なり。(京では見ない鳥である)
淵瀬さらに変はらざりけり。(淵も浅瀬もまったく変わらないなあ)
二つ目の例では,助動詞「ず」の直後に助動詞「けり」があるので,
この場合は助動詞「ず」は補助活用の連用形「ざり」に変わるんですね。
ちなみに,漢文の書き下し文では補助活用がよく使われます。
古文の場合とは使い方が異なるので注意しましょう!
2)助動詞「ず」の意味は?
活用形がちょっと面倒な助動詞「ず」ですが,その分(?)意味はとっても簡単です!
「ず」:打消(~ない)
用法が一つしかない上に,意味も至ってシンプルですよね?
英語でいうところのnotと同じ意味です。必ず答えられるようにしておきましょう!
3)まとめ
いかがでしたか?今回のポイントは以下の通りです。
助動詞「ず」:接続 =未然形接続
活用形=(ず)/ず /ず /ぬ /ね / (本活用)
ざら ざり ざる ざれ ざれ(補助活用)
→直後に助動詞がある場合は補助活用!
意味 =打消(~ない)
助動詞「ず」の意味を正しく答えられるかどうかは,
「助動詞「ず」であることに気づけるかどうか」でほぼ決まってきます。
そのためにも,活用形をしっかりおさえておきましょう!