目的格の関係代名詞whomをおさえよう!例文からイメージを持ってみよう
関係代名詞は、二つの文を一つにして説明するときに使われます。目的格の関係代名詞の whom もその一つです。
目的格の関係代名詞は whom の他に、which や that がありますが、whom は、人を説明したいときに使用します。
この whom ですが、まずは目的格の関係代名詞というイメージを持って勉強すると効果的です!
whomは人が先行詞になる
以下の二つの例文を考えてみましょう。
The man is a pilot.
(その男性はパイロットです。)
I met him yesterday.
(私は昨日彼に会いました。)
「その男性はパイロットです」という文と、「私は昨日彼に会いました」という文を一つにすると、「私が昨日会った男性はパイロットです」となります。
二つの文で説明していたものを、一つの文でまとめて説明できるというのが関係代名詞です。
この考え方は、関係代名詞を勉強するうえで一番の基本になります!
そして、上記の例文を一つにするときは、目的格の関係代名詞を使います。
ここではその目的格の関係代名詞は whom になります。
それでは、その whom という関係代名詞を使って一つにしてみましょう。
以下のようになります。
The man whom I met yesterday is a pilot.
(私が昨日会った男性はパイロットです。)
まず、日本語訳から見ていきます。
主語は、「男性」で the man、動詞は「~です」でbe動詞の is です。
もともとこの文は The man is a pilot. というのが基本です。
この、The man(男性)という部分を説明するものとして、「私が昨日会った」という説明を加えます。
ここで関係代名詞が登場します。
関係代名詞は、二つの文を一つにするにあたり、ある名詞を修飾します。それを先行詞といいますが、whom を使うときは、先行詞は人になります。
上記の例なら、修飾される名詞は the man ですので、関係代名詞は whom です。
そして、修飾したい名詞の後に関係代名詞の whom をすぐ入れます。つまり、the man の後にすぐに関係代名詞の whom を入れ、The man whom~ となります。
whom の後には、「私が昨日会った」という内容を入れます。そこで、I met yesterday を入れます。
ここまでで、The man whom I met yesterday となります。
「私が昨日会った男性」という訳になります。
それでは、もとの二つの文をもう一度見てみましょう。
The man is a pilot.
I met him yesterday.
です。
ここでは、the man が先行詞であり、これを修飾、つまり説明したいために、関係代名詞の whom が使われるということになります。
そこで、The man whom I met yesterday~となりました。
あとは、この男性が、「パイロットです」という部分を加えます。
つまり、The man whom I met yesterday is a pilot.
となります。
もともとは、The man is a pilot.
であったものが、その the man に当たる部分を説明するために、関係代名詞の whom を使い、
The man whom I met yesterday is a pilot.
となりました。
ここで、関係代名詞の「目的格」という言葉の意味を考えてみましょう。先行詞は the manです。この説明として、関係代名詞 whom を用いました。
whom の後の、the man の説明になっている部分をもう一度見てみましょう。
I met yesterday です。
本来は、I met him yesterday. で、この him というのが、the man を示していました。
The man whom I met yesterday is a pilot.
という文では、その the man がすでに最初に登場しているので、whom の後は、I met him yesterday から him を抜いて、I met yesterday となります。
しかし、もともとは I met him yesterday. という文でした。
ここの、him(彼に) というのは、met の目的語です。
「会った」というのは「誰に」という部分がないと成り立ちません。このような部分を目的語といいますが、この him というのは、the man のことで、
The man whom I met yesterday is a pilot.
という文では、すでに the man として最初に登場しています。
そしてこの the man は先行詞です。
このように、目的格の関係代名詞は、先行詞が、関係代名詞の後に続く説明の部分の目的語になっている場合に使用します。
そして、先行詞が人なので、使用する目的格の関係代名詞は whom となります。
ちなみに、関係代名詞 that は、先行詞が人でも物でも使えます。これも覚えておきましょう。
もう一つ、例文を挙げます。
He is the man whom I met yesterday.
という文です。
これは目的格の関係代名詞の whom を使用した文ですが、もともとの二つの文は以下のようになります。
He is the man.
I met him yesterday.
「彼は男性です」という文と、「私は昨日彼に会いました」という文です。
これを、目的格の関係代名詞 whom を使って一つにすると、「彼は私が昨日会った男性です」になります。
ここでの先行詞は、the man になります。この「男性」という先行詞を詳しく説明する部分が、I met yesterday という部分で、「私が昨日会った」となります。
先行詞である the man の後に目的格の関係代名詞の whom を入れ、その後に I met yesterday と続けます。
この例では、ここで文が終了します。He is the man までは変わらず、その the man の後に関係代名詞を続けて、He is the man whom I met yesterday. となります。
先ほど例文の、The man whom I met yesterday is a pilot. では、もともとの文の The man is a pilot. の The man と is a pilot の間に、whom I met yesterday を挟む形になりましたが、今回は、He is the man という元の文はそのままにして、その the man の後に、whom I met yesterday と続けて文が終了しました。
しかし、どちらも基本は同じです!
修飾、説明したい名詞(先行詞)があって、その後に whom を入れ、説明するものを入れるという基本は変わりません。
上記の二つの例は、その位置によってなんとなくイメージが異なるように見えるかもしれません。ですが、あくまで先行詞のあとに whom、そして説明するべき部分を続ける、という基本は同じです。
省略やwhoへの置き換えなど
目的格の関係代名詞の whom ですが、who を使って示すこともできます。また、目的格の関係代名詞は、whom に限らず省略できます。このことも覚えておきましょう。
特に、長文問題などでは、省略されて出題することが多くなります。そういうときこそ、関係代名詞の目的格の基本を思い出して解く必要があります!
まずはしっかりと基本をおさえておいてください。
まとめ
目的格の関係代名詞の whom は、慣れるまではなんとなくイメージが持ちにくい印象がありますが、まずは二つの文を一つにするという基本と、目的格ということの意味を考えてみましょう。
そのためには、元になった二つの文と、関係代名詞 whom を使用した後の一つの文をきちんと見比べる必要があります。
以下、目的格の関係代名詞の whom を使った例題を挙げておきますので、解いてみてください。
次の二つの文を、関係代名詞 whom を使って一つの文にしましょう。
(1) She is the women.
I met her two years ago.
(2) That man is a pianist.
I know him.
<解答>
(1) She is the women whom I met two years ago.
(2) That man whom I know is a pianist.
<訳>
(1) 彼女は私が二年前に会った女性です。
(2) 私が知っているあの男性はピアニストです。