冠詞とは?定冠詞と不定冠詞の違いをおさえよう!
冠詞というのは、品詞の中でもとりわけイメージしにくいものです。
日本語にはない表現になり、英語を勉強するうえでも悩みの種になったりします。
ここでは、冠詞の基本的な考え方として、不定冠詞と定冠詞について見ていきましょう。
まずは冠詞というものの基本のイメージをつかむことが大事です。
不定冠詞と定冠詞
冠詞には、a、an、the があります。
a、 an というのは不定冠詞です。
子音から始まる名詞に不定冠詞をつける場合は、an になります。(an appleなど)
不定冠詞とは、その名詞がまだ特定されていない場合に使います。
例えば、まず一人の生徒を示したいときは、a student とします。
ここでは a という不定冠詞が使われています。
最初に一人の生徒という存在を示すときは、まだその生徒は特定されていません。
話の聞き手にとっては、生徒と言われて初めてわかることです。
聞き手にとって「生徒」というものが一度話題に上がれば、あとは「特定」されたことになります。
その後、その生徒について話を進めるときは、the student として話を進めます。これは「その生徒」と訳します。
この the は定冠詞です。
定冠詞は、聞き手にとって特定できるものにつけます。
先ほどの例だと、the student で「その生徒」となります。「その」というのは、特定されたから「その」と言えることになります。
これが定冠詞です。
冠詞をつける場合とは
不定冠詞と定冠詞のイメージを持ったら、次は実際にどんな場合に使われるのかを考えていきましょう。
先ほど、a student や the student というように例に出しましたが、そもそも名詞には冠詞がつく場合と冠詞がつかない場合があります。
① 名詞が単数か複数か
名詞の複数形には、a(an) は使用しません。複数形で使用する冠詞は the のみになります。
名詞が単数だと、a(an)、the のどちらも使用します。
これについて考えてみましょう。
そもそも、a(an) というのは、「a(an)+単数名詞」ということで、「ある、一つの~」という意味になります。複数形では使用されません。
これが一度登場して特定されると、the に変わります。
つまり、単数名詞には、a(an)も the も使用されます。
複数形に the をつける場合は、その名詞によって何か全体を意味するときになります。
例えば、
The Americans
は、「アメリカ人」と訳しますが、これは「アメリカ人全体」というニュアンスになります。
② 名詞が可算名詞か不可算名詞か
名詞には数えられる可算名詞、数えられない不可算名詞がありますが、冠詞をどのような場合につけるのかについては、可算名詞と不可算名詞で分ける必要があります。
先ほどの student は「生徒」ということになると数えられるので可算名詞です。
それが一人なら a や the をつけます。
a(an)は基本的に「一つの、一人の」というような意味で使われます。
この考え方を進めていくと、不可算名詞は数えられないので、「一つの」「一人の」という概念がありません。
例えば、weather(天気)というのは不可算名詞ですが、「天気」というものは数えることができません。
このような不可算名詞は、「一つの」「一人の」という意味を持つ a(an)のような冠詞はつかないということになります。
the については、不可算名詞につく場合があります。
the rain という例で考えてみましょう。
rain は「雨」なので数えられませんから不可算名詞です。
なので、a や an はつきません。
しかし the をつけることによって、the rain と表現すると、今目の前に降っている雨ということで、特定されることになります。
英文の中で一般的な雨のことを示すときは特定されていませんから the は使いません。
また、不可算名詞に a や an はつかないので、この場合は rain には冠詞はつきません。
しかし、特定されたものとして表現するときは、the を使用することがあります。
まとめ
冠詞は非常にややこしいですが、まずは不定冠詞と定冠詞の違いをイメージしてみてください!
そして、不可算名詞や複数名詞の場合にどうなるのか、というように、一つずつ整理してみましょう。
最初はややこしくて時間がかかるかもしれませんが、一つ一つの文の中での冠詞の働きを意識してみてください。