塩酸と酢酸を入れたときってどうやって電離定数の式を立てるの?
ポイント
- 電離とは水溶液中などでイオンに分かれる現象のこと。 (例) HCl ⇄ H+ + Cl–
- 強酸と弱酸を混ぜたとき、弱酸の電離は強酸の電離に比べて微々たるものなので無視。
- 強酸は電離度 α が十分小さかったら全て電離すると考えてよい。(例)HCl → H+ + Cl–
- 電離定数の定義 (例)酢酸の場合 ただし、[A] はAのモル濃度を表す。
問題
0.016 mol/Lの酢酸水溶液50mLと 0.020 mol/Lの塩酸50mLを混合した溶液中の酢酸イオンのモル濃度は何 mol/Lか。
ただし、酢酸の電離度は1より十分小さく、電離定数は2.5 × 10-5 mol/Lとする。
考え方
- 電離定数が出てきているから、電離定数の公式に当てはめればいいんだな!
- ポイントのところに書いた式が電離定数の定義だが、今Kα = 2.5 × 10-5 で [CH3COOH] = 0.016 mol/L ということはわかっている。
- で、求めたいものは[CH3COO–]だからxと置くと、あとは[H+]さえわかってしまえばいける!!!
- 今回、塩酸という強酸と一緒に入れたから、電離したことによって生じたH+は全部塩酸からによるもの。
- そして、強酸の電離は電離度が十分小さいときは全て電離したとみなして良いので、 HCl → H+ + Cl– となったことに等しい。
- つまり、HCl と H+ の係数が等しいことから、H+の濃度はHClの濃度に等しい。よって、[H+] = 0.020 mol/L
- 以上より、
- よって [mol/L] できた!!!
ちなみに
この問題は2016年センター試験の問題です。この問題の難しい点は、全く使わない数値が出てきているということ。
理論をしっかり把握して、惑わされないようにしましょう!