浮く?沈む?不思議な力「浮力」の正体
「水に浮く」という現象
船が海に浮かんだり、プールで身体が軽くなったりするのは皆さんもよくご存じだと思います。
では、何故水にモノが浮かぶのでしょうか?
それは、水の中に浮き上がらせようとする「浮力」が働いているからです。
「浮力」の正体とは?
この浮力の正体を知るには、水の中で物体に働く力について知る必要があります。
以下のように物体が水の中にある場合を考えます。
物体の上面を押す圧力を[Pa]、下面を押す圧力を[Pa]、上面の深さを[m]、
下面の深さを[m]、大気圧を[Pa]、水の密度をρ[kg/m³]、物体の体積を[m³]、
上面、下面の面積を[m²]、高さを[m]、とすると、
流体の圧力の式から
ρ
ρ
と求められます。
ここで、
浮力 = 下面を押す力 – 上面を押す力
と考えればよいので、浮力を[N] とすると、
ρ
ρ
となります。
これが物体にかかる重力よりも大きければ浮き、小さければ沈みます。
もちろん、これは水以外の液体でも成り立ちますね。
アルキメデスの原理
この式をよく見ると、、物体の密度をや水深を表す記号が含まれていません。
つまり、浮力は物体の密度や水深とは無関係で、物体の形状や流体の密度とは関係があるのです。
また、上記に式は物体が排した水の重さに等しいですね。このように、浮力の大きさは、
物体が排除した流体の重さに等しくなります。これを「アルキメデスの原理」と呼びます。
それでは問題です。
例題
次の文章の正誤を判定せよ。
・プールの水より海水の方が体が浮きやすいのは、真水より海水の方が密度が大きいからである。
おわかりの通り、この文章は正しいです。
海水は塩が溶けているので、真水よりも密度が高く、浮力が大きくなります。
浮力は身近な現象であるため、試験の題材としても取り上げられやすいので、
是非ここでしっかり理解しておきましょう。