勉強法 斜面や摩擦のある面上での等加速度直線運動

斜面や摩擦のある面上での等加速度直線運動

基本は「自由落下や鉛直投射は等加速度直線運動」で確認をして、ここでは問題演習をしていきましょう。

1)なめらかな斜面

なめらかな斜面を物体が滑る場合、重力加速度を斜面に平行な成分と垂直な成分とに分解し、斜面に平行な成分のみを用いて計算します。垂直成分は面で押し返されるために打ち消されますからね。では、問題を解いてみましょう。

 

例題1)

上図のように、なめらかで傾斜30゚の斜面がある。物体を点Pに置いて、そっと手を離すと、物体が動き始めた。動き始めて4秒後に点Qを通過した場合、以下の問に答えなさい。ただし、重力加速度は とする。

(1) 点Qを通過したときの物体の速さは何 m/s か。

(2) 点PQ間の距離は何 m か。

例題1の解き方

(1) 物体にかかる重力加速度の、斜面方向成分を求めます。

下図のように、力の分解と同様の作図をすれば、斜面方向の加速度が重力加速度×sin30゚で求められることがわかります。

 

あとはこの加速度を、等加速度直線運動の速度の時間変化の公式に当てはめれば求まります。

初速度は 0 なので、

(2) (1)で求めた加速度を等加速度直線運動の変位の公式に当てはめて求めます。

 

2)摩擦のある面

 面と物体の間に摩擦力が働く場合も、等加速度直線運動の公式が使えます。床の上で積み木のようなものを滑らせた場合、その物体はいつか止まりますね。その初速度と摩擦係数から、何秒後に何m先で止まるかを求めてみましょう。

例題2)

ある物体が、動摩擦係数 0.8 の面上を滑っている。初速度 58.8m/s で滑り始めた場合、物体は何秒後に何m離れた地点で静止するか求めなさい。ただし、重力加速度は  とする。

例題2の解き方

摩擦力の求め方は覚えていますか?

例えば、物体の質量をm、摩擦係数を μ 、重力加速度をgとすると、摩擦力Fは

F= μ m g ……①

で求められます。

まだ、力Fは質量mと加速度aとの積で求められるので、

F = m a ……②

①と②を見比べることで、摩擦のある面での加速度aは

a= μ g

で求められることがわかります。

このことから、今回の問題の加速度は

 

であることがわかります。

さらに、摩擦力は運動の方向と反対向きに働くので、運動の向きを正として、等加速度直線運動の速度の公式に以上の数値をあてはめると、

物体が静止するまでの時間を求めるので、v = 0 を代入します。

 

これで、物体が静思するまでの時間が 7.5 秒であることがわかりました。

あとは等加速度直線運動の変位の公式を用いて、