補助動詞と本動詞の違いは!?見分け方は?
こんにちは。塾講師めるです。
今回は「補助動詞と本動詞の違いってなに?」という質問に答えていきます!
敬語を勉強するときに一度は目にする言葉ですが,
「区別がつかない!ややこしい!」という方も多いと思うので,
今回は補助動詞と本動詞の見分け方も説明していきます!
1)補助動詞と本動詞ってなに?
敬語の動詞には「本動詞・補助動詞」の二種類があります。
簡単にまとめると次のようになります。
本動詞 =単独で「動詞」の意味と敬意を表す
補助動詞=他の動詞とセットで使い,敬意だけを表す
この違いは,現代語の敬語に当てはめて考えることもできます。
たとえば「食べる」という動詞を尊敬語にする場合,二通りの言い方ができますね。
食べる=召し上がる・お食べになる
ここでは,単独で動詞となる「召し上がる」が本動詞で,
「お食べになる」の「お~になる」が補助動詞となっています。
2)補助動詞と本動詞の見分け方は?
古文で気をつけなければならないのは,「給ふ」「奉る」などのように,
補助動詞・本動詞の両方の意味を持つ動詞がある点です。
この場合は,「直前に別の動詞があるかどうか」で判断することができます。
別の動詞が直前にある場合は補助動詞,ない場合は本動詞です。
試しに例文を二つ挙げてみましょう。
a)帝,中将に大御酒を給ふ。(帝は中将に大御酒をお与えになる)
b)大納言は歌を読み給ふ。(大納言は歌をお詠みになる)
a)の文では「給ふ」以外に動詞がないので,尊敬の本動詞であると判断できます。
この場合,「給ふ」は「お与えになる」と訳しますね。
b)の文では「給ふ」の直前に「読む」という動詞があるので,
ここでの「給ふ」は尊敬の補助動詞となり,「お~になる」と訳します。
3)まとめ
いかがでしたか?今回のポイントは以下の通りです。
・本動詞 =単独で「動詞」の意味と敬意を表す
・補助動詞=他の動詞とセットで使い,敬意だけを表す
・補助動詞と本動詞の見分け方:直前に別の動詞があるかどうか
→別の動詞がある場合:補助動詞
別の動詞がない場合:本動詞
古文を読んでいく上で,敬語の正しい識別は欠かせません。
「敬語を制する者は古文を制す」という気持ちで覚えましょう!