古文での「主語の省略」をマスターしてライバルと差をつけよう!主語を見極められますか!?
古文の嫌なところ……それは主語が省略されるところ!
「これやったの誰だよ! これ言ったの誰だよ! もう話についていけないよ!」
そう思ったこと、ありませんか?
そこで今回は、接続助詞に着目して主語を見極める方法を学びましょう!
【覚えることはたったふたつ!】
①接続助詞「て」で繋がる文章では、主語は変わらないことが多い。
②接続助詞「ば」「と」「に」で繋がる文章では、主語が変わりやすい。
※接続助詞に限らず古文においては全体的に言えますが、絶対に変わる/変わらないということではありません。あくまで「高確率でそうなる」 ということは前提として認識しておいてください。
【例文を見てみよう】
さあ、有名な「竹取物語」の冒頭を読みながらこれをマスターしましょう↓
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
これが最初の文。翁は、竹を取っているときに光る竹を見つけますね? その竹に近づいていく様子を描くのがこの文。
あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。
この文に注目してください。
「あやしがりて」、これは翁が竹の様子を不思議に思って、という意味。
「て」で繋がっているので次の文の主語も翁です。
「寄りて見るに」、つまり翁が近寄って見てみると。
「に」で繋がっているので次の文の主語は変わります!
「筒の中光りたり」、訳すと筒の中が光っている。主語は「筒の中」になっています!
主語がどれだけ省略されていてもこのルールは変わりません。
【ここからは練習問題!】
「竹取物語」の他の文を練習問題にしてみましょう!
この児、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。
三月ばかりになるほどに、よき程なる人になりぬれば、髪上げなどさうして、髪上げさせ、裳着す。
では、「髪上げなどさうして」の主語を考えてみましょう。
登場人物は、かぐや姫(児)と翁ですよ。
【答え】
どうでしたか?
確認してみましょう。
この児、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。
この子供は、育てるうちに、すくすくと大きくなっていく……現代語とあまり変わらないのでここは簡単です。かぐや姫が成長している様子を描いています。
続く文章もまた、かぐや姫のお話。基本的には、主語が省略されるということは、「直前にも同じ主語が出てきたから省略してもわかるでしょ?」ということですから……。
三か月ほどになる頃に、良い年頃の人(成人女性)になったので、という訳になります。
ここで注目! 文が「ば」で終わってますね?
つまり次の文の主語はかぐや姫ではない……翁です!
髪上げというのは、女性の成人の儀式。つまり翁は、立派に育ったかぐや姫の為に成人の儀式を行ってくれたのです。
【まとめ】
さて、理解できましたか?
古文の主語がスラスラと理解できると、試験ではかなり有利なはず。
頑張って覚えてくださいね!