確率で「同様に確からしい」ってどういうことなの?
確率の問題を解いていると、飽きるぐらい出てくる表現がこの「同様に確からしい」ですよね。
あまりにいつも書いてあるので、読み飛ばしている人も多いと思いますが、実は確率を求める上でこれは重要なことなのです。
これが分かっているかどうかで確率の理解度が変わってきますので、是非もう一度しっかり理解しておきましょう。
まずは、「同様に確からしい」の定義を見てみましょう。
定義
1つの試行において、根元事象のどれが起こることも同じ程度に期待できるとき、これらの事象は同様に確からしいという。
回りくどい言い方ですね。
これは要するに
「起こりうるすべての結果のどれが起こる可能性もすべて同じである。」
ということです。
具体的には
・コインを投げれば裏と表は同じ確率で出る。
・サイコロの目は同じ確率で出る。
・赤玉と白玉を引く確率は同じである。
というような感じですね。
こんなの当たり前だろと思った方、騙されないように要注意ですよ。
コインやサイコロに細工がしてあるかもしれないし、赤玉と白玉の大きさが違えば引く確率は違うかもしれないのですから。
とまあ、数学の問題ではそんなことはまずありえないのですが、
そのことを明記しておかなければ、いちゃもんをつけられます。
そんなわけで、問題の最後には必ず「同様に確からしい」という文言が入るんですね。
ちょっと極端な例題を見てみましょう。
例題
2枚のコインを同時に投げるとき,「1枚は表,1枚は裏となる確率」を求めよ。
ただし、2枚のコインのうち1枚は重心が偏っているために表が7割の確率で出るとする。
こんな但し書きがある場合、コインの裏と表の事象は「同様に確かではない」ということになりますね。
解き方はいたってシンプルです。
重心が偏っているコインをA、そうでないコインをBとする。
Aが表、Bが裏になる場合、その確率は
Aが裏、Bが表になる確率は
よって、求める確率は
こんな感じですね。
ちなみにこの問題、直観的に考えると少し違和感があるかもしれませんが、
実はAのコインの結果は関係ないんですよね。
確率の問題は身近な事象を取り扱う分、騙されやすいものでもあるので、
注意深く考察していきましょう。