素因数分解と約数の個数と総和の求め方を説明!|数学勉強法
約数に関する問題は、素因数分解ができれば、あとはちよっとしたコツを覚えるだけで簡単に解けてしまいます。
ここでは
1.素因数分解
2.約数の総和の求め方
3.約数の個数の求め方
の順に確認していきましょう。
求め方とその理屈を解説してあります。
公式として暗記するより、理屈を理解した方が忘れないので、ぜひ解説も読んでみてくださいね。
1.素因数分解
素因数分解とは、数を素数のみのかけ算で表すことです。
素数とは、1とその数の合計2つでしか割りきれない自然数のことでしたね。ちなみに、1は素数ではありません。
よく出てくる自然数を、小さい順にいくつか覚えておくといいですね。
2 3 5 7 11 13 ……
以上の6つがぱっと出てくれば、だいたい問題ありません。
あとの素数は、この6つのどれを使っても割りきれず、他に約数が思い浮かばなければ、きっと素数なんだと思えば良いのです。
さて、問題の素因数分解ですが、とにかく思いつく素数で割って、その商をまた素数で割って、その商を……と繰り返すだけです。
まず、504 という数を例に、素因数分解をおこなってみましょう。
504 ÷ 2 = 252
252 ÷ 2 = 126
126 ÷ 2 = 63
63 ÷ 3 = 21
21 ÷ 3 = 7
7 ÷ 7 = 1
書き方は自分が分かりやすいように工夫してください。
ここでの注意事項は2つ。
1)必ず素数で割ること。
(割りきれるからといって、9 で割ってはいけません。)
2)商が1になれば終了。
ここで注目すべきは、「 ÷ 」のあとの素数とその個数です。
504 の場合は、2で3回、3で2回、7で1回割ることができたので、以下のように表すことができます。
今回は、約数の個数や総和を求めることを考えて、あえて7の肩に1を書きましたが、普通は書かかなくてかまいません。
2.約数の総和の求め方
約数の総和は、素因数分解ができてさえいれば、すぐ求まります。
1で用いた の場合なら、以下のようにします。
1の素因数分解とどう関連しているか分かりましたか?
各カッコの中には、求めた素数の右肩にのっている乗数よりひとつ多い項が入ってますよね。
どうしてこの方法で求まるのかというと、カッコの中を先に計算せずに、展開してみればわかります。
のように、すべて書いていると大変ですが、とにかく素因数分解で得られたすべての素数のすべての組み合わせが含まれていることがわかります。
3.約数の個数の求め方
約数の個数は、それぞれの [ 素数の右肩にのっている乗数 ] + 1をかけ合わせるだけで求まります。
また、 の場合を紹介すると、
となります。
約数の総和をもとめるときに、展開すればすべての約数が現れるということを確認しましたね。
その個数を知りたいのですから、今度は 20 などと書かれていた項をすべて 1 にしてしまいます。
つまり、
→
こういうことです。
これを展開すれば、
と、24個の 1 という項が現れます。
つまりこれが約数の個数になるわけです。