過マンガン酸カリウムの半反応式はこうやって作る!
ポイント
- 液性が酸性のとき半反応式は MnO4– → Mn2+ から作れると暗記する
- 液性が中・塩基性のとき半反応式は MnO4– → MnO2 から作れると暗記する
- Oが足りなかったら、H2Oで帳尻あわせ
- Hが足りなかったら、H+で帳尻合わせ
- 中・塩基性のときはH+を全て消すようにOH–を両辺に足す(H+ + OH– → H2Oになる)
- 最後に両辺の電荷のつりあいを電子(e–)で帳尻合わせば半反応式が完成する
問題
過マンガン酸イオンの半反応式を酸性下と中・塩基性下それぞれ求めろ
考え方
- まずは酸性下のときを考えてみよう。酸性のときの半反応式は MnO4– → Mn2+ で作れると暗記していたので、MnO4– → Mn2+ を書く。
- んー。左辺はOが4つあるけど、右辺にはOがひとつもないからH2Oで帳尻合わせしよう!
- MnO4– → Mn2+ + 4H2O と書く。これで、Oの数はそろった。
- うわ、今度は右辺にHが8個もあるよ!H+で帳尻合わせだ!
- MnO4– + 8H+→ Mn2+ + 4H2O これでHの数もそろった。
- あとは、両辺の電荷のつりあいだけど、左辺は、MnO4– が1個とH+が8個だから、
- 右辺はMn2+が1個とH2Oが4個だから、
- さらに、e–は1個で-1だから、両辺の電荷を揃えるには、左辺にe–を5個追加してあげれば良い!(7-5=2だから)
- よって、MnO4– + 8H+ + 5e– → Mn2+ + 4H2O できた!!!!!
- 次に中・塩基性下のときを考えてみよう。中・塩基性のときの半反応式は MnO4– → MnO2 で作れると暗記していたので、MnO4– → MnO2を書く。
- んー。左辺はOが4つあるけど、右辺にはOが二つしかないからH2Oで帳尻合わせしよう!
- MnO4– → MnO2 + 2H2O これで、Oの数はそろった。
- うわ、今度は右辺にHが4個もあるよ!H+で帳尻合わせだ!
- MnO4– + 4H+ → MnO2 + 2H2O これでHの数もそろった。
- けど、まてよ。H+って酸性のときにあるもので、塩基性のときはOH–だよな。だから、4H+がなくなるように4OH–を両辺に加えてあげよう。(H+とOH–は1:1でH2Oに変身する)
- MnO4– + 4H2O → MnO2 + 2H2O + 4OH– これで、H+は消えた!
- 両辺2H2Oを引いて簡単にしよう。MnO4– + 2H2O → MnO2 + 4OH–
- あとは、両辺の電荷のつりあいだけど、左辺はMnO4–が1個とH2Oが2個だから、
- 右辺はMnO2が1個とOH–が4個だから、
- よって、両辺の電荷を揃えるには、左辺にe–を3個追加してあげれば良い!
- よって、MnO4– + 2H2O + 3e– → MnO2 + 4OH– できた!!!!!
どうでしたでしょうか。半反応式は最初の暗記さえしてしまえば、あとは機械的に求めることができます。
しっかり流れを覚えておきましょう。
ちなみに
最初に酸性下のときと中・塩基性下のときでそれぞれ暗記するよう書きましたが、なんで半反応式が変わってくるのかは、以下の投稿を参考にしてください。