今すぐチェック!古文の助動詞「る」「らる」の意味の見分け方
古文の助動詞でおそらく一番始めに習うのがおそらく「る」「らる」ですね。
今回は助動詞「る」「らる」の使い分けと意味の見分け方を説明していきます!
「る」「らる」の使い分け
「る」「らる」はどちらも意味は同じで接続も未然形で同じ。
ではどう使い分ければいいのだろう?こう思う受験生は多いはず。
ズバリ、注目する点は直前の動詞の音です!
「る」 → 〜アで終わる未然形(四段、ラ変、ナ変動詞)
「らる」 → 〜イ 〜エ 〜オで終わる未然形
例)「る」 → 行かる 死なる
「らる」 → 着らる 寄せらる
「る」「らる」の空所補充問題が出た時は直前の動詞の音に気をつけてサクッと得点しちゃいましょう!
「る」「らる」の意味の見分け方
ここからが本題なわけですが、まずは「る」「らる」の意味をおさらいしておきましょう。
- 受身
- 可能
- 自発
- 尊敬
もちろん覚えてたと思うんだけど…具体的にどう見分けていくのか説明していきます!
①受身
物におそはるる心地して、おどろき給へれば、火も消えにけり。
このように、〜に、〜をに当たる部分(目的語)がある場合は受身になることが多いです。
ですが、古文ではしばしば主語や目的語が省略される傾向があります。
「る」「らる」の上に目的語を補うことができたら受身 という解釈がいいですね!
②可能
知らぬ人の中にうち臥して、つゆまどまれず。
「る」「らる」の下に打消語(ず、じ、まじ)があると可能の意味になることが多いです。
「〜できない」と訳します。
③自発
住み慣れしふるさと限りなく思い出でらる。
そもそも「自発」とはなんぞや。。
自発というのは「自然とそうしてしまう」という意味です。
なので、知覚動詞(見る、聞く、思ふ)と非常に相性が良いんです!
ちなみに上の文章は「住み慣れた自分の家が自然と限りなく思い出される」という意味です。
④尊敬
a. 「瓶子が倒れ候ひぬ」とぞ申されける。
b. 大殿泣かる。
c. 都を思ひ出されたまふ。
「る」「らる」が尊敬になる時、
- 敬語にくっついている場合(aの文)
- 主語が高貴な人の場合(bの文)
ここで注意しなければならないのは、cの文のように「る」「らる」の直後に敬語が来ている場合。
この場合は尊敬にはならないので注意が必要です!
ちなみにcの文の「れ」は自発ですよ。「思ふ」がありますからね!
※尊敬語「仰す」の後にくる「らる」は必ず尊敬になります。
見分け方のまとめ
もし古文を読んでいて「る」「らる」が出てきたら、
下に打消語があるかどうか確認(あれば可能)
↓
上にくっついている動詞が敬語・知覚動詞かどうか確認(敬語があれば尊敬、知覚動詞があれば自発)
↓
くっついている動詞の上に目的語があるかどうか確認(あれば受身)
↓
主語が高貴な人かどうか確認(主語が高貴な人なら尊敬)
要は、下から上に見ていく感じですね。
このプロセスをたどるのがオススメです!
古文には例外がつきもの
ここまで説明して最後の最後にこんなことを言うのも心苦しいのですが、古文には例外がつきものです。
何が言いたいかというと、、、とその前に以下の文を見てください。
家のつくりやうは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。
赤文字の助動詞「る」の意味はなんでしょう?
上で書いた見分け方を参考にすると… 「所に」に「に」があるから受身かな?
受身で訳してみると、「家の作り方は夏を中心にしたほうがよい。冬はどんな場所にも住まられる…?」
おかしくなってしまいますね。
この文章の「る」は実は可能なんです。
「え、下に打消語ないじゃん!!」そう思いますよね。
今回の文は文脈から判断しなければならないのです。
訳は、「家の作り方は夏を中心にしたほうがよい。冬はどんな場所にも住むことができる」となります。
結局、何が言いたいかというと今回紹介した方法はあくまでも一つの手段にすぎないということです。
上の見分け方でしっくりこない時は文脈から判断しましょう!