なりの見分け方とは?伝聞推定と断定の違い|古文勉強法
こんにちは。塾講師めるです。
今回は「助動詞『なり』の見分け方を教えて!」という質問に答えていきます!
伝聞推定の「なり」なのか、断定の「なり」なのか皆さん、一度は悩んだことがあるはず。
でも、もう大丈夫です!これを読んで、伝聞推定の「なり」、断定の「なり」を見分けられるようになりましょう!
1)助動詞「なり」には二種類ある!
助動詞「なり」には二種類ありました。
ひとつは断定の助動詞「なり」で、
もうひとつは伝聞推定の助動詞「なり」ですね。
それぞれの意味をおさらいしましょう。
断定の助動詞「なり」 =「~だ、~である」
伝聞推定の助動詞「なり」=1)「~そうだ、~という」
2)「~ようだ」
2)助動詞「なり」の見分け方
この断定、伝聞推定の助動詞「なり」の二つは、接続する活用形が異なります。
ですから、断定の助動詞か伝聞・推定の助動詞かを見分けるには、
「なり」の直前にある語に注目してみると簡単なんです!
断定の助動詞「なり」 :体言(名詞)・連体形接続
伝聞推定の助動詞「なり」:終止形(ラ変動詞は連体形)接続
例として、『土佐日記』からの一節を挙げてみましょう。
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
この例文には二カ所「なり(なる)」が出てきますね。
それぞれの直前の語に注目してみましょう。
すなる →す +なる
するなり→する+なり
ここではどちらもサ変動詞「す」が使われています。
最初の「なり(なる)」の直前では終止形、
二つ目の「なり」の直前では連体形が使われていますね。
つまり、最初の「なり(なる)」は伝聞推定の助動詞で、
二つ目の「なり」は断定の助動詞であると分かるので、
この例文の現代語訳は次のようになります。
男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
(男がするという日記というものを、女(の私)もしてみようと思ってする(書く)のである)
3)まとめ
いかがでしたか?今回のまとめは以下の通りです。
・助動詞「なり」の見分け方=「なり」の直前の語に注目!
・体言(名詞)・連体形 =断定の助動詞 「なり」:「~だ、~である」
・終止形(ラ変動詞は連体形)=伝聞・推定の助動詞「なり」:1)「~そうだ、~という」
2)「~ようだ」
「直前の語で助動詞の種類を判断する」というやり方は、
古典の文法ではとてもよく使われる判別方法です。
今回説明した助動詞「なり」の意味と併せて覚えておきましょう!