絶対値の外し方とは?不等式には要注意|数学勉強法
|5|や|-3|のように1つの実数の両側にある2本の縦線を絶対値ということは知っているかな。
では,この2つの数は何を表すのだろう?
それは|5|=5,|-3|=3 とすぐに答えられた人は立派だよ。
つまり,ある数の絶対値|a|とは,
aが正の数であればa
aが負の数であれば-aを表しているんだね。
|5|=5 は5が正の数だから問題なし。
|-3|はどうだろう?
-3は負の数だから,-(-3)=3となるので,|-3|=3 となる,というわけだ。
簡単に言うと,|a|とはaという数の符号をとった数ともいえるんだ。これが絶対値なんだね。
(5は+5と考えて+をとって5,-3は-をとって3)。
ちょっとまった。0は符号がないけど,絶対値のときの0はどうなる?
|0|は0と約束してあるんだ。
では,|√7-2|はどうだろう。
当然,√7-2の符号が問題だね。√7の値はおよそ2.64…したがって,√7-2=0.64…は正の数だから,|√7-2|=√7-2 となるわけだ。
絶対値とは関係ないけど√7の値がすぐに分からなかった人は,もっと勉強しないといけないよ。
では次に,|√7-3|を考えてみよう。
√7-3=2.64…-3=-0.35…<0 だから,|√7-3|=-(√7-3)=3-√7 ということになるね。
差の絶対値についてまとめると,
a-b≧0 のときは,|a-b|=a-b,
a-b<0 のときは,|a-b|=b-a とまとめることができそうだね。
「絶対値を文字でまとめられては分からない。」 なんてことを言ってはいけないよ。
高校では,このように文字を使って,一般的にまとめることがとても重要なんだ。
絶対値の発展問題を一つ紹介しよう。
|x2-6|=x という方程式を解け,という問題。
入試でもこの絶対値の問題は出題されることもあるんだよ。
では解答。
x2-6≧0 つまり x≦-√6,√6≦x のときは,x2-6=xとなるから,因数分解して(x-3)(x+2)=0
これから
x=3,-2 となるが x≦-√6,√6≦x より x=3 のみが適するね。
-√6<x<√6 のときは,-(x2-6)=xとなるから,因数分解して (x+3)(x-2)=0
これから
x=-3,2 となるが -√6<x<√6 より x=2 のみが適するね。
したがって,方程式の解は,x=3,2 となるわけだ。
この問題も絶対値がきちんと外せないと解けないことになるよ。
絶対値とは早く友達になっていつでも大丈夫としておくことが「絶対」重要なんだ。
絶対値だけに「絶対」。
絶対値ボケでした。