成績を上げるのに必要な力
こんにちは高木です。
今日は成績を上げるために必要な力についてです。
大前提として一つこれだけ上げれば絶対に大丈夫というものはありません。
ただ、今日はその中でもあえて一つだけを選び、それがなぜ大事なのかお話しします。
成績を上げるために必要な力
成績を上げるのに必要な力、それは読解力です。
「AI vs 教科書が読めない子どもたち」という著書の中で新井紀子さんは
という研究結果を発表されています。
例えば、こんな問題があります。
アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、
同じグルコースからできていても、
形が違うセルロースは分解できない。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
(1)デンプン
(2)アミラーゼ
(3)グルコース
(4)酵素
こちらの問題を解くのに生物の知識は一切必要ありません。
しかし、この問題の正答率は50%を下回っているそうです。
ちなみに最も多い誤答は(3)グルコース、そして正解は(1)デンプンです。
私はこの結果を知ったとき、正直全く驚きませんでした。
なぜなら、高校3年生でもこのレベルの文章を読めない生徒が多くいることを把握していたからです。
(ちなみに現在キミノスクールで使用している教材は、その当時生徒の読解力の改善のために良い教材はないかと探していたときに見つけたものです)
読解力を身に付けるために
文章が理解できない、人の話が理解できない状態ではいくら良い参考書を使っても、良い授業を聞いても意味がありません。
日本語で書かれた教科書や参考書を読み、
日本語で先生の話を聞く以上、
読解力の有無は国語だけではなく全ての教科に大きな影響を与えるということです。
では、読解力は何をすれば身につけることができるのでしょうか?
様々な要素がありますが、
今日取りあげたいのは読解力の中でも大事な
具体と抽象という概念です。
例えば、「りんご・みかん・バナナを抽象化すると果物になる。スポーツの具体例は野球」のようなものです。
この具体・抽象が分からない生徒は
「応用が効かず、同じような問題でも少し中身が変わると何をしたら良いのか分からなくなる」という特徴があります。
それは、具体例を具体例のまま覚えてしまうからです。
例を紹介しましょう。
小学生の算数で習う解法の一つに「つるかめ算」というものがあります。
例えば
のような問題で使用する解法です。
これを学んだ生徒が次のような問題に出会ったとします。
抽象化ができない生徒は①と②を同じ問題だと認識できません。
「だってツルとカメが出てきてないじゃん」
と考えます。
これは極端な例ですが、中学生の内容では例えば光の屈折に関して
「光は空気から水に進む時曲がる」と覚えている生徒はとても多いです。
正確には「光はある物質から異なる物質を通る時、進行方向を変える」です。
「光が空気から水に入る時曲がる」と覚えている生徒は、水から空気に進む時に何が起きるか分からず、それはまた別のものとして覚えます。空気から油に進むときも別のものとして覚えます。
このように、本来一つのルールで片付くことに対して、いくつもルールを作ってそれらを個別で覚えようとします。
実は上記のような抽象化されたルールは自分で考える必要はなく、教科書に必ず書いてあるのですが、それを読み飛ばしてしまいます。
なぜでしょう?それは、抽象的な文章よりも具体例で考えた方が分かりやすいからです。
抽象的な文章だけでは分かりにくいのは大人も同じです。
話が上手な人は必ず具体例を使いますよね?
しかし、具体例で納得感を得るだけではダメで、その後、抽象的な文章をもう一度見直す必要があります。
多くの生徒は複数の具体例と共通するルールを行き来するのをサボってしまいます。
面倒という理由もありますが、それが大事だということをそもそも教えられてないからです。
キミノスクールの読解力を身に付けるための取り組み
そのため、キミノスクールでは国語の時間を「読解力を身につけること」を最大の目的に置いています。
読解力の有無で、勉強の効率、理解の速さが全く違うからですね。
また、読解力のある生徒は話す力や文章を書く力も高いことが多いです。
そういう生徒は「自分が何が分からないかを人に伝えること」が上手なため、聞いている先生も問題解決をしやすいという効果もあります。
ご家庭での会話の中で、お子様の話が分かりにくいなと思われる場合は
「例えば」と「つまり」という質問をしてあげると具体抽象の練習になり良いと思います。
以上本日は読解力の話でした。
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