勉強法 模試って何を受けたらいいの?あなたに合った模試を提案します

模試って何を受けたらいいの?あなたに合った模試を提案します

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数学偏差値75から55への転落

どの予備校にも、上位クラス、中位クラス、下位クラスのクラス分けによる授業編成があると思いますが、予備校の中でのクラス分け以上に、予備校間のレベル差が存在します。私の母校の高校では、3、4ヶ月に1度のペースでK予備校またはY予備校の模試が行われており、私は大体偏差値70~75位をマークしていました。
ある時、医学部受験をする友人に誘われてS予備校の通称「T大模試」を受けたのですが、次から次へといつもよりも難易度が数段高い問題が続き、数学の偏差値は55にまで落ち込んでしまったのでした。
「いつもの予備校」のスタンダードな模試レベルでは、T大や医学部を受ける受験生達の中での自分の本当の立ち位置は分からない、という経験でした。

高校の中での成績があまり参考にならない大学受験

大学受験と高校受験の最も大きな違いは、ライバルの範囲です。私の出身県には学区制度が無かったため、他県から私と同じ高校に通っている友人も居ましたが、それでも、高校受験のライバルはせいぜい県内が主で、受験倍率も1.4程度でした。また、家庭教師をしていた県にはかつて「学区制」があったため、廃止から10年近く経った当時も、高校の受験倍率はほぼ1でした。このように、高校受験はおよそレベルの知れた相手とそこそこの倍率で合格を争う場合が多いです。
しかし、大学受験は全国から学生が集まります。また、私の出身校のように地方公立大学では、県内進学者に対するゲタ履き制度(推薦入試は県内生のみですとか、後期試験の面接で有利とか)がある場合もあります。大学受験では、レベルを図りにくい他県のライバル、そして、必ずしも公平でないと言えるような状況で戦わなければならないのです。
私が家庭教師で受け持っていた生徒さんは、このギャップからなかなか抜け出せず、模試を受けるたびに納得がいかなそうな顔をしていました。親御さんも、「学校では良い順位なのに」と口癖のように言っていらっしゃいました。
もし、同じように感じたことがある方がいらっしゃったら、ぜひ学内の成績は推薦を受けない人には関係ない、という風にお考えを転換していただきたいと思います。

個人模試、集団模試、効果に違いは?

言わずもがなですが、本番の緊張感は個人や高校で模試を受けている場合の比ではありませんし、本番では暖房が暑すぎる・全く効いていない、前の受験生の貧乏ゆすりがひどい、など、様々な悪環境、周囲の回答用紙への記入音による焦りや緊張など、多くの精神的揺さぶりに襲われます。
私も地方都市の高校生でしたので、大手予備校が近くにない辛さは分かるのですが、できるだけネットや自宅での個人模試、高校での模試に逃げずに、「想定外の起こる」の試験会場での受験を複数回ご経験された方が良いと考えます。
予備校事務をしていた時、医学部受験をする生徒さんの中に「本番ですごく緊張しちゃった」と落ち込んでいた男の子が居ました。やはり地方都市であったこともあり、いつもの模試では同じ高校の同じクラスで、やはり医学部受験を目指している同級生と同じ教室で模試を受けることが多かったからでしょう、私が試験官をする時も緊張している様子は見たことがありませんでした。彼は「同じ大学を目指す大勢の他人のプレッシャー」を本番で初めて感じ、学友も居ない中、休み時間にいつものように軽口を叩いて緊張を解くこともできなかったのだと思います。

模試のレベルは先生か主催者に確認を

上述のような理由から、できれば数回だけでも、自分が受験する大学と同じレベルの大学・学部を対象とした模試を受けてみていただきたいです。
もし、どの模試を受けてみたら良いか分からなければ、予備校の受付にいるスタッフに尋ねてみて下さい。模試の主催者側は、宣伝に使用する場合もあるため、複数ある模試のどれがどの大学・どの学部の受験を想定しているか、というパンフレット、少なくとも情報は、必ず用意しています。また、場合によっては申し込み用紙に記載がある場合もあったので、良ければ受験前に探してみて下さい。