微分とは?微小時間、変化量がわからん人へ!|数学勉強法
「微分って何?何のためにやるの?」という疑問にお答えしたいと思います。
微分は図やモノでのイメージがわかないため、私も苦手意識を持っていました。
微分の使い道を知った今、微分が必要だと実感してすっきり疑問を解決してもらえればと思い書いてみました。
■小学校で習った「道のり÷時間=速さ」は役立たず?!
2015年に北陸新幹線が開通し、「かがやき」に乗れば東京から金沢まで450kmの道のりを2時間28分で移動できるようになりました。
では、「かがやき」の速さを求めてみましょう。
小学校の算数では、
(道のり)÷(時間)=(速さ)
と習いました。
計算結果は182 km/hですが、公式では最高時速260 km/hだと発表されていました。
違っているのはなぜでしょう?
新幹線は出発するとだんだん速くなっていき、停車駅に近づくとだんだん遅くなります。
つまり、時刻によって速さが違います。
■微分があれば解決!
では、東京駅を出て5分後の速さは?
駅を出て5分後と6分後は同じような速さで走っていそうですよね。
それなら、5分後と6分後のデータから上の式を使って求めてみましょう。
5分後に東京駅から1km、6分後に1.5kmの地点を通るなら、
この2地点の間の道のりは
(道のり) = 1.5km –1km = 0.5km
この2地点の間の時間は
(時間) = 6分 – 5分 = 1分
これらを(道のり)÷(時間) =(速さ)の式に代入すると
0.5 ÷ (1 / 60) = 30
計算結果は30km/hとなりました。この時間間隔を1分から1秒、0.1秒と細かくすればより正確な速さが求まります。
このような、微小時間あたりの変化量(東京駅からの距離の変化)を表せるのが微分です。
■なんの役に立つの?
微分は、新幹線の地点に限らず主に時間とともに変化する値(速度、加速度、気圧、風速…)について計算するときに使います。
つまり、天気予報やその他諸々の科学技術のほとんどは微分なしには進歩しなかったわけです。
高校では式f(x)をxで微分すること、つまりdf(x)/dxの求め方を身につけますが、大学からは、変化量df(x)/dxが式の中に既に入っている方程式を計算します。
理学、工学など物理学を使う分野では、「微分って何の役に立つの?」と「足し算って何の役に立つの?」のがほぼ同じになるほど使っています。
皆さんは高校で微分を習い始めますが、大学では理工系以外の学部でも基礎教養として「微分積分学」という一つの学問分野を学ぶでしょう。
そのときに高校で学習する範囲が身に付いていなければ授業について行けず留年、退学という未来が待っているかもしれません。
今のうちに出来るようになっておきましょう。