0の階乗が1な理由とは?定義に着目してみた|数学勉強法
n!(nの階乗)は「1からnまでの整数の積」であると定義されます。
たとえば、
3!=3×2×1=6
2!=2×1=2
1!=1
それでは、0!(0の階乗)はどうなるでしょうか。
0の階乗=0と答えたあなた、気持ちは分かりますが残念ながら答えは1なんです!
なぜ0!=1なのかというと、そう定義すると都合がいいからなのです。
0!=1は約束事(定義)であって、証明できるものではありません。
なので、0!=1と定義することにより、どう都合がいいかを説明します。
①階乗の再帰式
n≧1のとき、(n+1)!=(n+1)・n!が成り立ちます。
0!=1と定義することで、1!=1・0!となり、この式がn=0のときにも成り立ちます。
②コンビネーション
n個のものからr個選ぶ場合の数nCrは
1≦r≦n-1のとき
nCr=n!/r!(n-r)!を満たします。
0!=1と定義することで、nCn=n!/n!0!となり、この式がr=nのときにも成り立ちます。
そのほかにも、マクローリン展開やガンマ関数においても0!=1と置くと都合がいいですが、これらは高校数学の範囲を逸脱するので割愛させていただきます。