勉強法 【数学の定石】対称式は基本対称式に!~対称式を見抜く方法~

【数学の定石】対称式は基本対称式に!~対称式を見抜く方法~

 対称式(高校数学の基本)

式中の2文字を交換して前と同じ式が得られる場合,この式はその2文字について対称式であるという。

式中のどの2文字についても対称式である式を単に対称式という。

(1)n文字の対称式は,そのn文字の基本対称式だけで表せる。

   基本対称式:2文字 a+b,ab

                     3文字 a+b+c bc+ca+ab abc

(2)2つの対称式の和・差・積・商はまた対称式である。

(3)abc の対称式で,a+b が因数ならば,b+c c+a もまた因数である。

参照元「モノグラフ 公式集

※但し,筆者が持っているのは4訂版です。

ご自身が持っている教科書や参考書で「対称式」について書かれたページを参照されると良いかと思います。

定義の読み下し方(数学が苦手な方へ)

冒頭で示したのは,いわゆる教科書や参考書などに記載されている「定義」になります。

一般的に表記されているので,不慣れな初学者は,先ずここで困惑してしまいがちですね。

一般的に書かれた内容を,いかに具体的な内容に読み替えて,自分の頭の中へ投入するかがポイントです。

冒頭の定義と全く同じことを言っているに過ぎませんが,2変数バージョン3変数バージョンについて,具体的に見てみましょう。

【高校数学で頻出】2変数(xy)バージョン

式中のxとyを交換して前と同じ式が得られる場合,この式はxyについて対称式であるという。

(1)xyの対称式は,xyの基本対称式だけで表せる。

   基本対称式 : x+y xy

(2)2つの対称式の和・差・積・商はまた対称式である。

【高校数学で頻出】3変数(xyz)バージョン

式中のxyを交換して前と同じ式が得られる場合,この式はxyについて対称式であるという。

式中のyzを交換して前と同じ式が得られる場合,この式はyzについて対称式であるという。

式中のzxを交換して前と同じ式が得られる場合,この式はzxについて対称式であるという。

式中のどの2文字(xy/yz/zx)についても対称式である式を単に対称式という。

(1)xyzの対称式は,xyzの基本対称式だけで表せる。

   基本対称式 : x+y+z zx+xy+xy xyz

(2)2つの対称式の和・差・積・商はまた対称式である。

(3)xyz の対称式で,x+y が因数ならば,y+z z+x もまた因数である。

高校数学/比較的ポピュラーな例題

基本対称式x+yとxyの値が既知である場合に,対称式「x2+y2」「x3+y3」の値を求めるなどは,非常によくある問題です。

また,解と係数の関係を利用する際にも,和()と積()は,重要な式の形であると言えます。

3変数だとx+y+z zx+xy+xy xyzの値が既知である場合に,対称式「x3+y3+z3-3xyz」の値を要求されたりします。

どんな場合であれ,「対称式は基本対称式で表せる」という性質を知っておけば,問題を解く際に必ず役に立ちます。

従って,対称式が与えられたら基本対称式を用いた形に変形する習慣を付けておくと良いですね。

冒頭の定義からも分かるように,対称式かどうかを見抜くには,式中の全ての2文字に着目して,それら2文字を交換して得られる式が元の式と同じになるかをチェックすればOKです。

ここでは実際の問題解説は割愛します。

対称式・基本対称式を扱う類題は数多く存在するので,実際どんなところで使われているか,ご自身で探してみると良いでしょう。