勉強法 差がつく!関数の最大値最小値問題で役立つ1文字固定法を使いこなそう

差がつく!関数の最大値最小値問題で役立つ1文字固定法を使いこなそう

 

関数の問題を解いていると、必ずと言っていいほど良く出てくるキーワードが「最大値を求めろ」「最小値を求めろ
というわけで、今回は関数の中でも特に二変数関数で役立つ1文字固定法の使い方を順を追って見ていきましょう。

1文字固定法予選決勝法とも呼ばれるが、ようは

最大値の最大値こそ真の最大値!
最小値の最小値こそ真の最小値!

最大値の最大値?
最小値の最小値?
何を言っているの?

つまり、
ふたつの変数x yがあったとしてxとyが両方変数で動いてしまうから最大最小がわけわからなくなってしまうのですよね。
だったら、まず、yをある定数だと思って固定してしまい、そのときの最大値をおりなすxこそ今私たちが知りたいx。
そして次にxの値を今求めた値に固定してにして、yを自由に動かしたときに最大値を求めれば、xだけが動いたときの最大値の中の最大値になるから真の最大値を求めたことになるというわけです。

具体的に見ていきましょう。

 

例題

    を同時に満たすx yに対し、の最大値を求めよ。ただし、aは負の定数とする。

 

解き方

  1. 問題を見て、xとyはいろんな値をとるから変数。aは定数って書いてあるから定数。ということはzは変数xと変数yと定数aで表された関数
  2. 求めたいものはzの最大値。つまりこの問題は二変数関数の最大最小問題だ!
  3. 二変数関数の最大最小問題と言ったらぱっとこんな攻め方が思いつく。1文字消去・1文字固定・線形計画法・平方完成・対称式の利用・逆手流
  4. うーん。今回は、1文字消去することもできないし、線形計画法も使えないし、平方完成するパターンでもないし、対称式じゃないし、逆手流も使えなさそう。お! 範囲が限定されているから1文字固定で行けそう!
  5. よし、まずはxを定数にするからx=t(tは定数)として、zは変数yだけに影響される関数だと思おう!
  6. この式のままじゃわかりづらいから z=(2t+4)y+atって書き換えるとy=ax+bの形になってわかりやすい。
  7. 関数の最大最小の基本はグラフを書くことだから、このz=(2t+4)y+atをz-yグラフに試しに書いてみよう。
  8. 成り得る線をいろいろかいてみたら、切片はどんな値でも影響ないけど、傾きかで最大値の場所が変わってしまう。
  9. 傾きである2t+4が正なのか負なのかを検証せねば!どっちにも成り得るのであれば場合わけかあ・・・
  10. お! tはyの具体的なある値だけど、だからtも。つまり2t+4は正だ! ということは傾きは右肩上がりだからyの値が大きくなればなるほど最大値になる!
  11. けど何の条件もないとy=∞になってしまう。それは絶対おかしいから、きっとyには範囲があるはず!まだ使っていない条件はないかな・・・
  12. が怪しいぞ。今x=tとしているから式変形するとか!!!うまくできているなあ。
  13. というわけでxを固定したときは、yが2-tのときに最大値になる。じゃあ、以降yは2-tに確定だから代入しておくと  
  14. 次にxを動かして最大値の最大値を求めよう!xを動かすというのは、つまりtを動かせば良いということ。
  15. この式のままじゃわかりづらいから、と式変形するといつもの二次関数の最大値を求める問題になった!
  16. ということはtにも範囲があるはず。まだ使っていない条件は・・・
  17. があるから、。けどまてよ、tが10000とかになったら、を明らかに満たさなくなってしまう。
  18. そっか。だから  つまり だ。
  19. よって  の最大値を求めれば良いわけだ!

(以降省略)

 

答え 8

注意点

・3で一文字固定以外にもいろいろな解法をあげてみました。このときに如何にいろんな攻め方をあげられるかが、数学力です。今回の問題は1文字固定でうまくいきましたが、毎回そうとは限りません。いきなり1文字固定法でいけると思いつくのではなく、可能性のあるいろいろな解法を頭の中で列挙して、その中で一番良さそうなものをチョイスしているんです。
しかし、これらが思いつくのは全て経験によるものです。だから日頃の数学の勉強は、このようにすぐに思いつく解法をできるだけ増やし、そしてそれをしっかり整理しておきましょう。
武器を増やして、手入れをしておくというイメージですね。

・5で先にyを固定しちゃだめなの?と思う人も多いと思います。もちろん、それでも問題は解くことができます。しかし、傾きに定数aが入ってきてしまって難易度がいっきに上がってしまいます。こういうテクニックも一緒に覚えておきましょう。

・18を見落としてしまう人が多いと思います。実はこの問題に限らず鉄則があって、【置き換えたら範囲に注意】を常に頭の中に入れておいてください。この場合はy=2-tと置き換えた瞬間にtについて範囲があるかチェックすると心がけておくと見落とすことはなくなると思います。