問題解説あり! 静止摩擦係数を使った連立方程式の立て方!
ポイント
- 静止摩擦係数μは物体が動き出す瞬間の摩擦力をμNで表すことができる。
- 力の書き出し方は
- 対象とする物体を決める
- 重力を書く
- 物体と物体が接触しているところには必ず力が発生するので全て書き出す
例題
質量mの物体と床との間の静止摩擦係数はμである。
図のように30°方向に力を加えるとき、物体が動き出さないための最大の力fを求めよ。
解き方
- 静止摩擦係数を使うためにも物体がまさに動き出すという瞬間を想定する。
- 力を書き出していくわけだが、まずは対象とする物体を「質量mの物体」(以降、物体m)とする。つまり、物体mにかかる力だけを書き出そうと決める。
- 物体mにかかる重力mgを書き出す。
- 物体mは床と接触しているので、抗力という力を書き加えようとするが抗力は普通、鉛直方向を垂直抗力、水平方向を摩擦力として分解するので、垂直抗力Nと摩擦力f’を書き出す。
- 問題文より30°方向に力fがかかるわけだが、あとで鉛直方向と水平方向に分解して計算するので、fsin30°とfcos30°を書き出す。
- 物体mに接触するものは他にはないので、以上で力は全て書き出したと確信する。
- そうしたら、あとは式を立てるだけだが今回は物体が動き始める瞬間ということはまだ動いていないので、釣り合いの式を立てたくなる。
- さらに静止摩擦係数μを使って f’=μNいう式を立てる。
以上で連立方程式を解くと、
答え f=2μmg/(√3+μ)