【有機化学】アルキンに水を付加させるとケトンかアルデヒドなのはどうして?
アルキンに水を不可させる場合、通常の水の付加でできた生成物は不安定で、
勝手に次の段階へ進んでしまうためケトンもしくはアルデヒドになってしまいます。
具体的な反応を説明します。
わかりやすくするためにところどころ端折っていますので参考程度に。
1.普通にH-OHを付加
例として H-C≡C-CH3 のアルキンで考えてみましょう。
H2OはH-OHとして考え、三重結合の―を1本減らしてCに片方ずつ結合。
この時、次の2種類ができると考えられます
(1)CH3=C(OH)-CH3
(2)CH2(OH)=CH-CH3
(1)の場合はケトンに、(2)の場合はアルデヒドになります。
―OHがつく場所によってケトン、アルデヒドの違いが出るということさえわかっていればOKです。
2.不安定な部分の解消
次からは(1)の場合について考えてみましょう。
((2)の場合もCH3とHが置き換わるだけなので根本的には変わりません。)
上の手順により
CH3-C=C(OH)-CH3
という部分ができるのですが、この形はとても不安定で
Cと結合している-OHのOが、Hから結合手(―のこと)を奪い、C=Oになります
CH3-C=C(=O)-CH3 H
すると、Oと二重結合したCは結合手5本となり、1本多くなってしまうため
Cとの二重結合を解消します。
CH3–C-C(=O)-CH3 H
今度はもう1つのCの結合手が3本になってしまい、1本足りません。
そこで先ほどOに結合手を奪われたHが場所を移動し、ここでようやく丸く収まります。
CH3-CH-C(=O)-CH3
というのがアルキンの水の付加反応のからくりでした。