勉強法 令外官ってどれを覚えるべき?不安な人はこれで解決!

令外官ってどれを覚えるべき?不安な人はこれで解決!

まず、令外官とは、大宝律令制定後から平安時代にかけて新設された令に規定のない官職です。具体的には、中納言、参議、内大臣、蔵人頭、検非違使、勘解由使、按察使、征夷大将軍、押領使、追捕使、関白の11個です。ここでは、令外官の中で覚えなければならないものを紹介していきます。

 

①覚えなくて良いもの

按察使

最難関の私立大学を受験しない限り無理して覚える必要はありません。仮に最難関の私立大学を受験する場合には、余力のある人だけ用語集を見て確認する程度で構いません。

 

②頭に入れておく程度のもの

中納言、参議、内大臣

この3つは日本史以外の科目でもよく目にする官職(古文などで)ですし、官職名を頭に入れておく程度で大丈夫です。ただ、それぞれ公卿に当たる官職で、令外官であるということは漠然と覚えておいてください。

 

③覚えなければならないもの

上記の4つを除いた7つが覚えなければならない令外官です。1.どの天皇の時代に追加されたのか、2.職務の内容も合わせて覚えていきましょう。

・征夷大将軍

  1. 桓武天皇                      
  2. 蝦夷政党のための軍勢の臨時最高指揮官。後々幕府を開くために必要とされる官職になり、非常に重要です。

・勘解由使

  1. 桓武天皇
  2. 国司交代の際の不正や紛争をなくすために引き継ぎ文書(解由状)を監督しました。

・蔵人頭

  1. 嵯峨天皇
  2. 薬子の変の際に設置され、機密事項を扱うなど秘書的な役割を担いました。

・検非違使

  1. 嵯峨天皇
  2. 京中で警察・司法の仕事を担いました。

・押領使

  1. 陽成天皇
  2. 盗賊を鎮圧するために設けられました。平将門の乱を鎮圧した藤原秀郷が押領使として有名です。

・関白

  1. 光孝天皇
  2. 藤原基経光孝天皇を擁立した際に事実上の関白となり、887年に宇多天皇の詔で関白の語が定まりました。摂関政治に関わる重要な官職で、藤原基経、光孝天皇(宇多天皇)のセットが最初であったことも合わせて覚えておきましょう。

・追捕使

  1. 朱雀天皇
  2. 諸国の盗賊を平定するために設けられました(押領使と職務の内容が似ているため注意が必要です)。藤原純友の乱を平定した小野好古が追捕使として有名です。

 

以上が覚えなければならない令外官となります。特に①~④、⑥については設置した天皇とその職務内容との関わりが非常に深くなっていますので、その時代の政治史と合わせて記憶すれば楽に覚えられるのではないでしょうか。⑤、⑦に関しては、承平・天慶の乱(平将門の乱と藤原純友の乱)の首謀者とその平定者とセットで覚えてみてください。