いろいろな「なむ」の用法とは?見分け方はどうするの?
こんにちは。塾講師めるです。
今回は「いろいろな『なむ』の用法と見分け方」について説明します!
1)「なむ」には四種類ある!
「なむ」には四種類の用法があります。
ざっくりとまとめると以下のようになります。
・願望の終助詞「なむ」(~してほしい)
・強意・完了の助動詞「ぬ」未然形+推量・意志の助動詞「む」(きっと~だろう,必ず~しよう)
・強意の係助詞「なむ」(特に訳さない)
・ナ変動詞未然形の活用語尾+推量・意志の助動詞「む」
「なむ」は用法によって品詞も意味も異なるので,
それぞれの見分け方をしっかりと覚えておく必要があります!
2)「なむ」の見分け方は?
「なむ」の用法を見分けるには,「なむ」の直前の語に注目しましょう。
注目すべきところさえわかれば,実は意外と簡単なんです!
・直前が動詞の未然形 →願望の終助詞「なむ」
・直前が動詞の連用形 →強意・完了の助動詞「ぬ」未然形+推量・意志の助動詞「む」
・直前が体言(名詞) →強意の係助詞「なむ」
・直前が「死ぬ」「去ぬ」→ナ変動詞未然形の活用語尾+推量・意志の助動詞「む」
ここで「なむ」の用法が一度に確認できる例文を挙げてみましょう。
それぞれの「なむ」の直前に注目してください。
いつしか花咲かなむ。花咲きなむ。花なむ咲く日に 我死なむ。
(早く桜が咲いてほしい。きっと花が咲くだろう。花が咲く日に私は死んでしまおう)
3)まとめ
いかがでしたか?今回のポイントは次の通りです。
・「なむ」の見分け方:直前の語に注目する!
・直前が動詞の未然形 →願望の終助詞「なむ」(~してほしい)
・直前が動詞の連用形 →強意・完了の助動詞「ぬ」未然形+推量・意志の助動詞「む」(きっと~だろう,必ず~しよう)
・直前が体言(名詞) →強意の係助詞「なむ」(特に訳さない)
・直前が「死ぬ」「去ぬ」→ナ変動詞未然形の活用語尾+推量・意志の助動詞「む」
(死ぬ(去る)だろう,死んで(去って)しまおう)
「なむ」の識別は学校の定期テストはもちろん,大学受験でもよく聞かれる問題です。
古文を正確に読むためにも,必ず見分けられるようにしておきましょう!