外部不経済って?外部不経済を理解するには〇〇を知らなきゃいけない…?
外部不経済とは
外部不経済は、多くの受験生にとっては普段は聞きなれない用語だと思います。
テレビのニュース記事で、キャスターが「外部不経済の影響で」などと言うことはまずありません。
それでも、外部不経済は他の経済用語と同様にわたしたちの生活に密接に関係しています。
例えば、受験の開場で、窓側や廊下側の席になってしまい、寒くて試験に集中できない。
座席の良し悪しが、市場で取引されていないので、これも外部不経済の一例です。
1.外部不経済を理解するには、まずは「市場」という概念を知る必要があります。
市場(しじょう)とは、一般的には、売る人と買う人が集まる商店街やマーケットのようなイメージがあります。
人々は日々、野菜、果物、魚介類などの生鮮食品から、株式や債券など証券、為替のような金融商品まで取引を行っています。
つまり、経済学ではモノやサービスがお金で売買される場所のことを意味しています。
市場がうまく働くと、需要と供給のバランスがとれて価格が決定します。
例えば、みんなが欲しがる商品は人気が出るので、市場では値段が上がります。一方で、売れない商品は値段も下がり、市場から排除されます。
このように経済には弱肉強食の原理があります。
市場の失敗とは、市場自体が成立しなかったり、市場がうまく働かず、資源配分が適切に行われないことを言います。
2.公共財について
市場経済では、民間企業は、お金が儲かるもの、つまり売れるものは市場に供給します。しかしながら採算の取れないものは生産しません。
公共財( 道路・公園・港湾など )や、公共サービス( 警察・消防など )は、民間企業では利潤の追求が出来ません。
例えば、皆さんが普段使用する道路にいちいち料金所を設けることはできません。なので、お金を払わない人を排除することが出来ないのです。
なので、こうような公共財は政府が税金を使って作らざるを得ません。つまり公共財は市場を通じて供給されず、公費負担( 税金 )によって供給されます。
3.外部経済と外部不経済について
このように、市場を通さずに他の経済主体に影響を及ぼす効果には、外部経済と外部不経済があります。
これは売り手と買い手が気づかないところで、第三者が幸せになったり、不幸になったりすることを言います。
外部経済は第三者に利益を与える場合です。
(例)
駅が出来たので、駅前の商店街が発展した。
古い工場の跡地が緑地公園として市民に開放される。
農業や林業が、自然環境の保全につながっている。
都市の集積し、人や物や情報が集まり、仕事が増え、文化的な催しも開かれるなど、人々の経済が活性化される。
外部不経済は、第三者に不利益を与える場合です。
(例)
工場の煙、自動車の排気ガスなどが近隣住民に悪影響を与える。
大型スーパーが開店して、渋滞が発生し、周辺住民が迷惑する。
都市の集積により、住宅問題、騒音、ゴミ問題などが発生する。
4.外部不経済の内部化
このような外部性その解決方法として、「外部不経済の内部化」があります。
環境税 : 汚染の原因を作っている人に「環境税」を払ってもらい、 浄化や処理の費用を負担させる。
補助金 : 行政からの補助金によって、環境問題に対応する。