点と直線の距離の公式はこう使え!円の弦と中心点の意外な関係とは
ポイント
- 円において、三平方の定理より (弦の1/2)2 + (中心点から弦までの距離)2 = (半径)2
- 中心点から弦までの距離は、点と直線の距離の公式が使える
- 点と直線の距離の公式に出てくる絶対値を恐れない!絶対値は機械的に外して、答えが二つ出てきたらあとで吟味する
問題
座標平面上に、円C: x2+y2-2x-4y-5=0と直線l: y=-2x+9がある。
(1)円Cの中心の座標と半径を求めよ。
(2)円Cと直線lの2つの交点A Bの座標を求めよ。ただし、点Aのx座標は点Bのx座標より小さいものとする。
また、点Dを中心とする円Kは2点A Bを通り、点Dと直線lとの距離が円Cの半径の2倍である。円Kの半径を求めよ。
(3)(2)のとき、点Dの座標を求めよ。ただし、点Dは第一象限にあるものとする。
考え方
- まずは、円Cの中心の座標と半径を求めるために式変形をすると、(x-1)2+(y-2)2=10 よって、中心は(1 2)で半径は
- 次に円Cと直線lの交点はx2+y2-2x-4y-5=0 に y=-2x+9を代入したときのxとyなので、計算すると(x y) = (2 5)と(4 1)になる。よって、A(2 5)、B(4 1)
- 点Dから直線lまでの距離が円Cの半径の2倍ということと、求めたい半径をrとすると以下のような図を書くことができる。
- この時点で、弦と半径が出てきたら三平方の定理を使うのだなと考える。
- 弦ABの長さは よって その半分は
- 故に、ポイントに書いたように三平方の定理を使うと よって、
- 次にDを(xk yk)と置くと、点と直線の距離の公式が使えるので、
- この式だけでは、xkとykが定まらないのでさらに式を作らないといけない。
- 点Dから点Aまでの距離と点Dから点Bまでの距離が半径に等しいことを利用すると
- と となり、
- この2式を展開して引き算するとxk=2yk-3となる。
- この式をあとは点と直線の距離で求めた式に代入すると
- となるので、
- ここで、点Dは第一象限であることから、xk ykは正の値でなければならない。
- よって、 できた!!!
図
ちなみに
今回、この問題は、xkとykという二つの変数を求めるために3つの式を使いました。
本来であれば、2変数を求めるには2式で十分なので、点と直線の距離の公式はなくても解くことができます。
しかし、2乗の式を計算することになり非常に煩雑になるので、点と直線の距離の公式を使いました。
このように弦と半径と点と直線の距離の公式は相性が良いということをよく覚えておきましょう!