ATPとADPの違いとは?分かりやすく説明!|生物勉強法
ATPとADPは何が違うんだろう?
ATPとADPの違いについて記載するよ。
ATPとADPには大きくわけて3つ違いがあるからそこを覚えよう。
以下でその3つの違いについて詳しく見ていくよ。
名前の違い
まず、当たり前だけど、名前が違うよね。2つの物質の正式名称は、
ATP…アデノシン三リン酸
ADP…アデノシンニリン酸
って言うんだ。
ついでに、英語名は
ATP…Adenosine triphosphate
ADP…Adenosine diphosphate
って書く。別に英語名を覚える必要は無いんだけれど、英語名の赤字にした部分に注目して欲しい。
“tri” と “di” ってとこが違うよね? この “tri” の “t” が “ATP” の “T” として使われているんだ。
で、”di” の “d” が “ADP” の “D” として使われているよ。
どっかのアイスクリーム屋さんが時々ダブルからトリプルへの増量無料! なんてやっているけど、トリプルって3つの味のアイスが乗ってるよね? つまりトリプルってのは3を表す言葉なんだね。これを覚えておくと、ATPとADPがごっちゃにならなくて済むよ。すなわち、ATPのTはトリプルのT!! だから “ATP” が “アデノシン三リン酸” なんだね。逆にADPのDはダブルのD。で、”ADP” が ”アデノシン二リン酸”。
構造の違い
ATPとADPの構造を以下に簡単に示すよ。
ほとんど同じ構造をしているね。
ATPもADPもまずアデニンと呼ばれる塩基の一種にリボースと呼ばれる五角形の糖がくっついている。
そこにリン酸がATPであれば3つ、ADPであれば2つくっついているんだ。
まぁ、見ての通り一番の違いはATPの方がADPより1つリン酸と呼ばれる構造を多く持っている所なんだけど、これがATPとADPの機能に大きく関わってくるよ。
役割の違い
ATPもADPもからだのエネルギーの保存に関わっているよ。
でも、そもそもからだにおける “エネルギーの保存” ってなんだろう??
まず、お腹がすいたらご飯を食べるよね。ごはんの中の糖や脂肪は細胞の中に吸収されて分解されるとエネルギーってのを出すんだ。
でも、からだはこのエネルギーを直接使うことはめったにない。だって、ご飯食べながら走ったりすることなんて無いでしょ?ごはんを食べて一時的にそのエネルギーを蓄える。で、必要な時 (例えば走るとき) に効率よく取り出せるようにしてあるんだ。そこに使われるのがATPとADP。
下の図を見て欲しい。
ごはんを食べて、ADPはエネルギーが発生すると、それを使って自分にリン酸をくっつけさせる。リン酸がくっつく時に、糖や脂肪を分解してつくられたエネルギーが使われる。で、リン酸が1つ多くくっついたADPは、もはやADPではなくATPと呼ばれる。ここは上の構造と名前のところで復習してね。で、エネルギーはATPの中で蓄えられる。
ごはんを食べ終わって、今度は運動するってなった時にはエネルギーが必要になる。
その時はATPが分解されてADPになる。この時、ATPからリン酸が1つはずれることでエネルギーが発生するんだ。で、発生したエネルギーは運動とかに使われる。リン酸を1つ外されたATPはATPではなく、ADPって呼ばれることになるよ。
エネルギーを使ってADPをATPにしておくことで、エネルギーの保存が行えることが利点の1つ。つまり時間差でエネルギーが使えるんだ。
そしてメリットはもう1つ。エネルギーそのものが移動することは出来ないのだけれど、ATPやADPは移動することが出来る。だから、できたエネルギーを一旦ATPで貯蔵しておいて、エネルギーの必要なところにATPを届けるってことができるんだね。ついでに、ADPも移動できるからADPになったら元にあったところにADPを回収することもできるね。すなわち、エネルギーの使用場所を変えられるんだ。
まとめ
・ATPとADPはアデノシン○リン酸。”三” か “二” かは “トリプル” か “ダブル” かで覚えよう。
・構造はリン酸が1つ多いか少ないか。
・役割はエネルギーの保存。