絶対に覚えよう!土佐日記の特徴と内容!
こんにちは。塾講師めるです。
今回は「『土佐日記』ってどんな話?」という質問に答えていきます!
1)土佐日記とは?
土佐日記には,文学史の知識としても覚えなければならないポイントがあります。
あらすじを見ていく前に,まずはそれらのポイントを概要と一緒に確認しましょう。
土佐日記とは,平安時代に紀貫之によって書かれた,日本で最初の日記文学です。
大きな特徴として,「女文字=平仮名」で書かれていることが挙げられます。
当時の男性は,文章を書くときには基本的に漢字(真名)のみを用いていました。
これに対し,平仮名はもっぱら女性が用いる文字であり,漢字よりも文字としての立場は低かったんです。
男性が平仮名を使うと「えー……」と引かれてしまう時代だったんですね。
しかし,作者・紀貫之(男性)は,あえて平仮名を用いて土佐日記を書きました。
その最初の一文には,次のように書かれています。
男もすなる日記といふものを,女もしてみむとてするなり。
(男がするという日記を,女(の私)もしてみようと思ってする(書く)のである)
なんと,紀貫之は女性に成りすまして土佐日記を書いたんですね。
とはいえ,内容は紀貫之が体験したことが(若干話を盛りつつ)そのまま書かれているので,
読者からすれば作者が男性であることがバレバレです。
もう一つの特徴としては,言葉遊び(ダジャレ)が多く使われていることが挙げられます。
土佐日記の問題では必ず問われる部分なので,特に注意しておきましょう!
2)土佐日記ってどんな話?
では,土佐日記のあらすじを見ていきましょう。
作者・紀貫之が国司としての任期を終え,赴任先の土佐から京へ戻るまでの出来事が,
フィクションを交えつつ描かれています。
紀貫之は土佐での国司としての任期を終え,京へ戻ることになりました。
仕事の引継ぎを一通り終え,現地の人たちと夜遅くまで送別会を開いて大騒ぎしながらも,
12日21日の戌の刻に土佐を出発し,京へと向かいます。
何かにつけてはふざけ合い,大騒ぎしながらの陽気な旅路ですが,
実は,紀貫之は土佐での赴任中に幼い娘を亡くしています。
大騒ぎの合間に,娘と一緒に京に帰れない悲しみがふと込み上げることも…。
ようやく京へ帰ってきた紀貫之ですが,自分の屋敷を見てビックリ,
長いこと留守にしていた屋敷は,千年もの時間が経ったかのように荒れ放題でした。
出かけるとき,隣家の人が「手入れはまかせて!」と言っていたのに…。
そんな悲しみや愚痴をそっと胸にしまいつつ,紀貫之の旅は終わったのでした。
3)まとめ
いかがでしたか?今回のポイントは以下の通りです。
土佐日記=平安時代に紀貫之によって書かれた日本初の日記文学
→当時の男性にしては珍しく「女文字=平仮名」で書かれている,言葉遊びを多用
→赴任先の土佐から京へ戻るまでの出来事を描いた
紀貫之はなかなかお茶目なオジサンで,土佐日記ではここぞとばかりにジョークを連発しています。
この前提がないと分かりづらいところが多いので,しっかり覚えておきましょう!