助動詞mustの意味!否定形になるとやっかい|英語勉強法
助動詞の must は、「~しなければならない」という義務の意味をよく見かけると思います。
しかし、この must には、「~にちがいない」という推量の意味もあります!
must は英文の中でもよく登場します。
そんな助動詞の must ですが、意味を大きく分けて「義務」なのか「推量」なのかを考える必要があります!
義務と推量の意味と助動詞の基本
助動詞の must には、「~しなければならない」という義務の意味と、「~にちがいない」という推量の意味があります。
これらを使い分ける必要がありますが、まずは助動詞の基本として、助動詞の後ろには動詞の原形が来ることを確認しておきましょう。
また、否定文にするには助動詞の後に not をつけます。
疑問文にするには、助動詞を主語の前に移動し、最後にクエスチョンマークをつけます。
must について勉強するときには、このような助動詞の基本も正確にしておきましょう。
義務の意味
must について、まずは「~しなければならない」という義務の意味を見ていきましょう。
以下のような文になります。
You must study English.
(あなたは英語を勉強しなければならない。)
ここでの must は、「~にちがいない」という推量の意味よりも、「~しなければならない」という義務の意味の方が自然な訳になります。
他にも、
He must study English.
(彼は英語を勉強しなければならない。)
I must do my homework.
(私は宿題をしなければならない。)
などの例があります。
どれも、助動詞の must の後には動詞の原形が来ていますね。
このような「~しなければならない」という意味の must ですが、これはかなり意味が強いニュアンスになります。
「~するべきだ」という意味よりもさらに強く、「~しなければならない」となるのが、 must の義務の意味です。
次に、否定文と疑問文です。
You must not be late.
だと、「あなたは遅れてはならない。」となります。
助動詞の must の後に not が来ていますね。
この must は義務の意味だと「~しなければならない」となりますが、これを否定文にすると、must not で「~してはいけない」という禁止を表すことになります。
「~しなければならない」という、命令に近い must の意味を否定すると、「~してはいけない」という禁止を示す表現にすることができます。
Must I study English?
だと、「私は英語を勉強しなければなりませんか。」という意味になります。
このように、助動詞の must の否定文と疑問文は、助動詞の原則通りの形になります。
否定文なら must の後に not をつけ、疑問文なら must を主語の前に移動し、文の最後にクエスチョンマークをつけます。
推量の意味
次に、must の推量の意味についてです。
must は推量の意味では、「~にちがいない」という訳になります。
例えば以下のような場合です。
This watch must be expensive.
(この時計は高価にちがいない。)
It must be important.
(それは重要にちがいない。)
この場合も、助動詞の must の後には be という動詞の原形が来ています。
さて、上記の例文の must は「~にちがいない」という推量の意味になっています。
この must は、「どう考えても~と考えられる」といったニュアンスになります。
強い推量を表しています。
ここでは、must の他の意味である「~しなければならない」という義務の意味にはなりません。
上記の例文の must を「~しなければならない」と訳すとニュアンスがおかしくなります。
このように、must を「~にちがいない」という推量の意味で表すときは、文脈判断が比較的やりやすくなります。
「~しなければならない」という意味では明らかに文がおかしくなるときは、must を「~にちがいない」という意味で読んでみましょう!
義務の must と have to の比較
さて、must の意味の一つである「~しなければならない」という義務の意味ですが、これについては、have to との比較が大事です!
以下の例文を見てみましょう。
You must go there.
(あなたはそこに行かなくてはならない。)
という文です。ここでの must は「~しなければならない」という義務を表します。
これを、have to で置き換えてみましょう。
must をまるまる have to に置き換えます。
You have to go there.
(あなたはそこに行かなくてはならない。)
となり、意味は must と同じです。
違いがあるのは否定文です。
You must go there. を否定文にすると、助動詞の must の後に not を入れ、must not とし、
You must not go there.
となって、「あなたはそこに行ってはならない。」
となります。
それでは、have to を使った、You have to go there. という文を否定文にするとどうなるでしょうか。
have to の場合は一般動詞の否定文と同じく、do not(don’t)を用いて、
You don’t(do not)have to go there.
となります。
この訳し方に注意です。以下のように訳します。
「あなたはそこに行かなくてもよい。」
このように、have to を否定文にするときは、must not のように「~しなければならない」という禁止ではなく、「~しなくてもよい、~する必要がない」という意味になります。
must も have to も、もともとは「~しなければならない」という意味で同じでしたが、否定文にすると訳し方が変わります。
ここはしっかりとおさえておいてください!
must not のときに「~しなくてもよい」という訳にならないように、また、don’t have to のときに「~しなければならない」という訳をしないようにしましょう!
ここでは、
must を義務の意味で訳すときに否定文にすると、must not で「禁止」を表す、というように覚えておいた方が便利です。
must not でまとめて覚えておいた方が迷わなくなるので、ここはしっかりとおさえておきましょう。
さて、これに関連して、
Must I study English now?
(私は今、英語を勉強しなければなりませんか。)
という疑問文の答えを考えてみましょう。
Yes you must.
なら、「はい、勉強しなければなりません。」
ですが、
No you must not.
としてしまうと、「いいえ、勉強してはいけません。」となり、ニュアンスがおかしくなります。
このときは、「勉強しなくてもいい」といった軽い意味合いにするため、
No you don’t have to.
と答えることもできます。
こうすれば、「今英語を勉強しなければならないのか」という疑問に対して、「いや、今はしなくてもいいよ」といったニュアンスになり、違和感があまりありません。
まとめ
助動詞の must は「~しなければならない」という義務の意味以外にも、「~にちがいない」という推量の意味もあります。
このように意味の違いをしっかりとおさえましょう。
さらに、義務の must については、否定文での have to との比較が大事です。こちらも正確に把握しておきましょう!
それでは、以下に訳の問題を出してみます。
義務の意味か推量の意味が、考えながら訳してみてください。
(1) You must be tired.
(2) He must do his homework.
(3) She must be a student.
(4) You must study now.
(5) You must not do it.
<訳>
(1) あなたは疲れているにちがいない。(推量)
(2) 彼は宿題をしなければならない。(義務)
(3) 彼女は生徒にちがいない。(推量)
(4) あなたは今勉強しなければならない。(義務)
(5) あなたはそれをしてはならない。(義務の意味の must を否定して、禁止の意味に。)