領事裁判権と関税自主権の意味とは?丁寧に説明|日本史勉強法
今日は、「領事裁判権」と「関税自主権」の話をしましょう。
この2つの言葉は、おそらく「ペリー来航」とか「日米修好通商条約」とかとセットで聞くことが多いと思います。
アメリカが日本に「開国をしろー!」って迫ってきた時、突きつけてきた不平等な条件の中に、これらがあったんですね。
1.領事裁判権
これは「自らが犯した犯罪を出身国の法律で裁いてもらう権利」のこと。
つまり、日本は外国人が行った犯罪に対して、被害者が日本人であろうと裁判をすることができなくなったのです。
例えばどうなるのか。
日本の法律では窃盗罪が罰金100万円、アメリカの法律では窃盗罪が罰金10万円だったとしましょう。
日本人のAくんが、日本で窃盗をしたとします。この時、支払う罰金は当然100万円です。
一方、アメリカ人のMr.Bが日本で窃盗を行った場合、領事裁判権が適用されてアメリカの法律で裁かれますから、払うのは10万円。
こんな不平等が発生するわけです。理不尽でしょ?
でもそんな状態を認めなければいけないくらい、日本と海外諸国には大きな力の差があったということです。
2.関税自主権
こちらはよく、「関税自主権の喪失」という形で使われますね。
関税自主権とは読んで字のごとし。「関税率を自分で決める権利」
ピンと来ない?
ではまず関税について話しましょう。関税とは「自分の国に入ってくる商品にかける税」のことです。要するに、海外から物を運ぶと、税金がかかるのです。
税金が掛かるということは、値段が上がるということ。これにより、めちゃめちゃ安い海外産の食品が輸入されて国産が全然売れなくなるなどという事態を避けています。
さて、関税が自分たちで設定できないというのは、どういうことか。
簡単です。安すぎる海外産の製品が入ってきても、価格を上げることができないのです。これでは、高い国産の製品が全然売れなくなり、国内の産業はどんどん弱ってしまいます。
低めの関税率を設定して日本に売りつけまくりたくさんの利益を得ようとする外国の、意地の悪い商売人精神が透けて見えますね。
さて、理解できたでしょうか。
言葉の意味がわかったら、大切なのは「領事裁判権」は”認めた”、「関税自主権」は”失った”ということ。
わかりますか? わからなかったら、もう一度見なおしてくださいね。
「領事裁判権」は、アメリカ人がアメリカの法律で裁いてもらう権利ですから、”認めた”。
「関税自主権」は、日本が日本に入ってくる商品に税をかける権利ですから、”失った”。
繰り返し確認し、ごっちゃにしないようにしましょう!!
では以上です。ありがとうございました。