受験生や保護者の方との接し方【高校受験編】
一つ目:勉強する目的を明確にすること。
受験生にとって、特に高校受験をする中学生にとって、案の定社会に出ても役に立たなさそうな勉強をすることは苦痛だと考えます。したがって、先生方に是非していただきたいことは「受験勉強をする理由作り」です。じゃあ何をするのか?ということですが、生徒さんと高校生活について語ることです。ここでポイントとなることは、生徒にできるだけ語ってもらえるような会話作りに勤めることです。例えば、「○○高校に行ってから、どんな部活をしてみたい?」「どんな友達をつくりたい?」などの話ですね。先生方はもちろん、高校生活を謳歌した人生の先輩なので具体的な高校生活の実例を盛り込んで語ることが可能だと思います。このように実際の話を盛り込むことによって、生徒さんは受験の先にある高校生活というビジョンを脳裏に描くことができ、受験勉強をする為の理由を作り上げることができ、生徒さんのモチベーションが下がったときでも挽回できる場合が多いです。
二つ目:アメとムチを使い分けること。
基本的に、穏やかな空気で指導をされている先生も多いかと思います。しかし、趣味で受験をするわけではないので危機感を常に抱くように心がけることをお勧めします。まず、ムチのお話からします。受験とは何か。という問いに対する答えの一つとして、受験は結果がすべてです。特に高校受験は、二度と同じチャンスは訪れません。さらに、自分の自己研鑽次第に点数が左右する。このような点から、受験は体育会種目と似ていると私は捉えています。ですから、この事実を生徒さんにしっかり認識させてください。受験と向き合うことは先生じゃなくて生徒さん自身だということを。その事実を踏まえた上で、生徒さんの点数や偏差値、評定を照らしながら進路の話をしていただきたく思います。しかし、誰しも常に辛い状況に向き合ってばかりでは逆に生産性が落ちてしまう場合もあるので、生徒さんにちゃんとアメを与えてください。点数や成果に結びついたときには、自分のことのように誉めてあげてください。どんな些細なことでも、反抗期の生徒さんでも、喜ばない生徒さんは居ません。このアメとムチのバランスがあることにより生徒さんを精神的に成長させることができます。
三つ目:生徒さんだけじゃなく親さんと親密なコミュニケーションをとること。
私の経験談ですが、塾講師のアルバイトをしていた頃は生徒さんの親さんと面識がなく、ただただシステマティックに塾の指導マニュアルの下で生徒さんと向き合っていました。逆に家庭教師は、想像どおりに親さんと密な連絡を取り合っています。この二つの仕事を経験して私が学んだことの一つは、親さんは生徒さんのことを誰よりもよく知っている。そして、知りたがっているということです。生徒さんの性格、趣向、現在の状況などなど、これらの情報を指導の報告に織り交ぜて会話の中で得ることにより、より戦略的な指導方法を確立することができます。さらに、家庭によって教育方針が異なるため先生方が行っている指導方法がその家族に適しているかどうかということの確認も取ることができます。ですから、塾の先生もできれば懇談に参加することをお勧めします。
さいごに
今回は、今日から実践できる身近な方法を三つ紹介いたしました。もうやっていらっしゃる方も多いかと思いますが、私も執筆して自分を振り返る際に大事だなと再確認した事柄ばかりでした。残すところ受験まであと4-5ヶ月です。どれだけ生徒さんや親さんと向き合うことができるかによって成績や勉強に対する姿勢が変わってくると思うので、気を引き締めなおして頑張りましょう。