【経験者が語る】宅浪で東大合格は可能!決断した理由や3つのおすすめ教材を詳しく解説
「東大に落ちてしまった…」
「来年もう1度チャレンジしたいけど予備校に通う経済的余裕がない」
「宅浪で東大って合格できるの?」
と考えている方もいるのではないでしょうか?
予備校に通わず、自宅で浪人する「宅浪」という選択。
高額な予備校代を支払わずに浪人し、東大に合格できたら最高…と誰しも頭によぎるものの、一般的にはおすすめされていないのも事実です。
とはいえ、注意点を把握し、おすすめの教材をうまく使えば宅浪で東大に合格することは十分可能です。
実際に、この記事を書いている東大生Webライターの柚木ゆき( @yuki__wri )は1年間の宅浪を経て東大に合格しました!
そこで、この記事では私の実体験をベースに以下の内容について解説します。
- 東大受験を宅浪しようと決断した理由
- 宅浪してよかったこと
- 迷ったときの考え方
- おすすめの教材
- 宅浪で東大に合格した体験談
ぜひこの記事を参考に、東大の宅浪受験も検討してみてくださいね!
東大受験を宅浪しようと決断した3つの理由
こちらでは、東大生Webライターの私が、宅浪で東大を受験しようと決めた3つの理由を紹介します。
- 経済的に浪人できる
- 効率よく勉強できる
- 移動・人間関係のストレスがない
宅浪には予備校浪人にはない魅力がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.経済的に浪人できる
宅浪の最も大きなメリットといえるでしょう。特に東大専門コースの授業料は高額で、開講されている校舎も限られるので、お住まいの場所によっては交通費もかなりかかります。
私は「現役で進学していれば必要なかったお金を親に負担させるのは申し訳ない」と考え、宅浪を選びました。
宅浪でかかった費用は12万円弱で、予備校浪人でかかる費用の10分の1程度に抑えられました。
模試受験料 | 6,000円 x 8回 = 48,000円 |
通信教育受講料 | 5,000円 x 10ヵ月 = 50,000円 |
参考書代 | 10,000円 |
カフェ・自習室使用料 | 10,000円 |
計 | 約118,000円 |
東大は入試難易度が高い一方で、特化した参考書や模試が非常に多いので、独学でも目指しやすい大学です。「明らかに東大受験を意識しているな」と感じる市販の参考書が多く存在するので、うまく活用しましょう。
ただし、闇雲に新しい参考書を購入するのではなく、現役時に使用していたものをベースに、必要に応じて買い足すのがおすすめです。
2.効率よく勉強できる
宅浪は勉強カリキュラムを自由に組めるので、効率よく勉強できます。私は英語・社会に勉強時間の8割を使い、数学は基礎の確認・過去問で出題パターンに慣れる程度でした。
現役時代から数学が苦手で、かなりの時間を費やしたものの二次試験の得点は17点。80点満点で合格者平均が40点といわれる中で、どれほど私が数学を苦手としていたのかわかるでしょう。
予備校は時間割が決められているのでもちろん数学の授業も受けなくてはいけないのですが、私は以下のことを懸念していました。
- この実力で東大コースに入っても授業についていけないのではないか
- 授業のレベルが高いので数学の予復習に時間を取られすぎるのではないか
- 数学以外の科目を勉強する時間が無くなるのではないか
不合格後の開示得点を見て「数学より英語・社会に注力した方が総合点は伸びるな」と感じていたので、合格までの最短ルートを進める宅浪を選択しました。
3.移動・人間関係のストレスがない
予備校はだいたい朝9時頃に授業が始まり、自習をして帰ると夜21時頃になるので、通勤ラッシュに巻き込まれる可能性が大きいです。
重い教材を背負い、勉強に疲れた状態で満員電車に毎日乗るのは耐えられないと思ったので、予備校に通わない選択をしました。
また、朝起きるのが苦手だったのも理由です。
「朝起きるために予備校に行くんじゃないの?」と思うかもしれませんが、早起きして眠くなって効率が下がり、高額な授業料を無駄にするのなら自分に合った生活リズムで勉強した方が良いと考えました。
さらに、予備校は「ライバルと競い合うことでモチベーションが上がる」という人には非常に良い環境ですが、私は「ライバルを意識しすぎて勉強に身が入らなくなってしまう」タイプだったので、マイペースに勉強できる宅浪を選びました。
東大受験を宅浪してよかった3つのこと
こちらでは、私が宅浪で東大受験をしてよかったと感じることを紹介します。
- 分析力・自己管理能力がついた
- 自信になった
- 話のネタになった
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.分析力・自己管理能力がついた
宅浪の成否を決めるのは「分析力・自己管理能力」だと、私は確信しています。
宅浪では課題を与えられることも、決められたカリキュラムに沿って勉強することもありません。自分の成績に向き合い「合格するために次に何を勉強したら良いのか」を、毎日自分で決めていく必要があります。
そこで私は、模試や演習結果から以下のことを分析していました。
- Plan:目標との差はどのくらいか・その差はなぜ起きたのかを考える
- Do:改善するための勉強を始める
- Check:実際に改善されたかを確認する
- Action:次の勉強法に活かす
無意識のうちにPDCAサイクルを回していたと、大学に入学してから気が付きました。
また、1人でいる時間が長いので「自分はどういうときに気分が落ち込むのか」「この状態のときはどうしたら良いのか」というような自己管理方法を習得できました。
宅浪で培った分析力・自己管理能力は今でも役立っています。
2.自信になった
私は高校時代は成績が悪く、勉強に苦手意識を持っていました。ところが、宅浪で東大に合格したことで「自分もやればできる」という自信を得られたように感じます。
宅浪は「自分の力で成し遂げた」という達成感を、非常に強く感じられます。自信がついたことで、新しいことや困難に思えることへの挑戦のハードルが低くなりました。
3.話のネタになった
東大は約30%の人が浪人しているので、入学後に浪人生活について話すことが多々あります。そのときに「宅浪した」と言うと確実に驚かれ、感心されます。
「なんで宅浪したの?」と話が繋がることも多く、実際私も何回話したかわかりません。たまに宅浪仲間に会うと、話が盛り上がるのも楽しいです。
宅浪は、入学後のコミュニケーション材料にもなりますよ!
東大受験を宅浪するときの3つの注意点
「実際宅浪で東大に合格した人がいる」「宅浪はお金もかからない」のに、どうして「宅浪はやめとけ」「宅浪は落ちる」という意見がメジャーなのでしょうか?
こちらでは、東大受験を宅浪するときの3つの注意点を紹介します。
- 自己管理が大変
- ひたすら孤独
- 添削指導を受けにくい
宅浪を検討するなら、注意点も把握しておきましょう。それぞれ詳しく確認していきます。
1.自己管理が大変
予備校は拘束時間が長く、周りにライバルがたくさんいるので半強制的に勉強できますが、宅浪は違います。
良くも悪くも自由なので、勉強をさぼっても注意してくれる人はいません。ペースメーカーやモチベーションを高めあえる仲間もおらず、自分で自分を奮い立たせて勉強する必要があります。
そのため、相当高いモチベーションと覚悟が必要です。
ただし、無理な目標設定はやめましょう。「毎日5時に起きる」「15時間勉強する」など過度に厳しくすると途中で挫折し、成績の伸びも止まってしまいます。
また、目標を達成できないことに落ち込み、ストレスを感じるようになりかねないので要注意です。
特に、精神的に落ち込み、勉強に手がつかなくなる状態にならないよう気をつけましょう。宅浪は、落ち込んだ時に救い上げてくれる存在がいないので精神的に病まないことが重要です。
宅浪中でも、モチベーションが上がらず全く勉強できない日があると思います。そのときに「全然勉強できなかった…受からないかも」ではなく「明日から頑張るために必要な休みだった」と考えましょう。
実際に、私も勉強しない日がありました。厳しくするだけでなく時には自分を甘やかすことも、自己管理の一環です。
2.ひたすら孤独
意識しないと、誰とも話さなくなります。私はしばらくの間、家族とカフェの店員さんとしか会話をしていませんでした。
孤独な期間が続くと、次第に「何のためにこんなに勉強しているのか」と感じるようになり、モチベーションにも影響します。
私は、インターネット上の浪人生コミュニティに入り、たまに愚痴を吐いたりアドバイスをもらったりしていました。Twitterやブログもおすすめですが、はまりすぎないように注意しましょう。
3.添削指導を受けにくい
東大受験においては、添削を受けにくいことは非常に重要な問題です。
東大の試験問題はほとんどすべてが記述式で、各問題で満点を狙うというよりは、部分点をかき集めて高得点を狙う作戦になるからです。
そのため「この答案だと何点くらいもらえるのか」という感覚を身につけることが、非常に重要です。なかには600字以上書かせる問題もあるので、自分ではなかなか正確に採点できないでしょう。
私は、返却された模試の答案を採点基準と併せて熟読したほか、通信講座を活用していました。自己採点をする際には予備校が公表している模範解答を数社分比較し、自分なりの採点基準を設けていました。
宅浪を検討する際は、添削指導を少しでも受けられる環境を用意できるか確認しましょう。
東大受験を宅浪しようか迷ったときの3つの考え方
どんな人なら、宅浪で東大に合格できるのでしょうか?
こちらでは、東大受験を宅浪しようか迷ったときの3つの考え方を紹介します。
- 合格最低点に何点足りないか
- 孤独耐性があるか
- 1年間「東大合格」を目指し続ける自信があるか
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.合格最低点に何点足りないか
東大に不合格になると、数日後に得点開示が届き、何点足りずに落ちたのかがわかります。合格最低点まで40点以内なら、宅浪でも合格可能性があるでしょう。
それ以上だと基礎が定着していない科目が複数あると考えられるので、予備校で満遍なく学習した方が合格可能性が高まります。
2.孤独耐性があるか
宅浪の性質上「複数人でワイワイ勉強するのが好き」「他人と勉強した方がモチベーションが上がる」という人には、おすすめしません。
「1人で勉強するのが苦でない」「むしろ1人の方が好き」という人は、宅浪を検討しましょう。
3.1年間「東大合格」を目指し続ける自信があるか
宅浪・予備校関係なく、浪人の1年間は辛いです。精神的に不安定になり、合格する自信がなくなることもあるでしょう。
特に宅浪だと、励ましてくれる人がいない場合があるので諦めてしまう人もいるかもしれません。「自分は宅浪で東大に合格する」という、強い覚悟を持ちましょう。
「東大に入るためなら辛くても頑張れる」という自信がある人なら、宅浪でも十分合格は可能です。
私は自信がなくなったときには「絶対受かる」「東大生になる」と口に出して、自分で自分を励ましていました。
宅浪で東大合格を目指す人におすすめのサービス3選
こちらでは、宅浪で東大受験をする人におすすめのサービスを3つ紹介します。
- キミノスクールオンライン
- Z会
- スタディサプリ
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.キミノスクールオンライン
キミノスクールは「宅浪時代に知りたかった…!」という教材です。オンライン塾なので移動の必要がなく、宅浪と非常に相性が良いといえるでしょう。
おすすめの活用法は、以下の4つです。
- 勉強計画作成をサポートしてもらう
- 苦手やわからない部分を解説してもらう
- 添削指導を受ける
- 講師とのコミュニケーションを通してモチベーションを上げる
またオンライン塾なので、予備校と比較すると費用を格段に抑えられます。また、オーダーメイドの指導を受けられるので合格まで最短ルートで進めます。
さらにキミノスクールは、以下のような人におすすめです。
- 移動の時間がもったいない
- 予備校の雰囲気が合わない
- 苦手の改善方法が合わない
私が宅浪時代に活用していたら、苦手だった数学の成績も効率よく伸ばせたかもしれません。
とにかく宅浪との相性が抜群なので、気になる方はまず問い合わせてみましょう!
2.Z会
Z会の東大対策は、実際に私が宅浪時代に活用していた教材です。1ヵ月分の教材がまとめて届き、答案を郵送する形式の通信教育です。
1コースから受講可能なので、苦手科目のみ受講もできます。宅浪している東大受験生におすすめなのは「東大即応演習」です。
毎月東大の入試と同じ形式の問題が届くので、演習量の確保に役立ちます。
3.スタディサプリ
スタディサプリ 大学受験講座は、月額1,815円で有名講師の講義動画が見放題です。
「講義形式の方が集中できる」という人は、ぜひ活用しましょう。また、自分のレベルに合った講義を選択できるので、基礎から不安な科目があっても安心です。
「東大対策講座」もあるので、気になる方は14日間の無料トライアルを利用してみてはいかがでしょうか?
【体験談】点数公開!私が宅浪して東大に合格するまで
最後になりますが、実際に私が宅浪で東大に合格した体験談をお伝えします。
現役時は合格最低点に15点及ばず東大に不合格となりましたが、諦めきれず浪人を決意します。
そして、1年間の宅浪を経て臨んだ2度目の東大受験では文科三類の合格を手にしました!
私の現役時と宅浪時の、入試の得点は以下のとおりです。
共通テスト (現役時はセンター試験) (満点900点) |
二次試験 (満点440点) |
結果 | |
現役時 | 821 | 223 (国70英65数17日34世37) |
不合格 合格最低点-15点 |
宅浪時 | 794 | 263 (国64英83数26日46世44) |
合格 現役から+38点 合格最低点+25点 |
「宅浪では受からない」「宅浪は伸びない」という意見が、絶対ではないとわかるでしょう。私は、宅浪時に以下のことを常に意識していました。
- 自己分析をして合格を目指すうえで最善の勉強をする
- 合格点を確実に取る戦略を立てる
私が宅浪しているとき、予備校のチューターのような第三者から勉強法や成績についてアドバイスをもらう機会はほとんどありませんでした。
そのため、模試や演習の結果から
- 「なぜ解けなかったのか」
- 「どんな勉強をしたらミスを防げるのか」
- 「実際に次の演習では改善されたか」
というような自己分析を知識面から精神面に至るまで、非常に細かく行っていました。
宅浪中の平均勉強時間は1日7時間ほどでしたが、自分に最適な勉強を考え、実践することで少ない勉強時間でも効率的に成長できたと思っています。
また、合格点を確実にとる戦略も重要視していました。
独学で成績を伸ばしにくい国語や、非常に苦手で試験問題との相性によって得点が大きく変わる数学には、勉強時間を多くは割きませんでした。
一方で、勉強時間が成績に反映されやすく、安定して得点できる社会と英語を重点的に勉強しました。
苦手はないに越したことはないですが、5科目の総合点で合否が決まるので「自分が合格できる可能性が最も高い各科目の得点配分」を設定しましょう。
精神的に落ち込んだときもありましたが、宅浪で東大合格を目指すと決め、受験勉強をした1年間は私の人生にとって非常に有意義な時間でした。
ぜひこの記事を参考に、宅浪での東大受験について検討してみてくださいね!