ディスカッションを通したスピーキング・リスニング能力の向上
はじめに
私たちは生まれたばかりの時、まず何をするかと言えばお母さんやお父さん、また周りの人が話していることに耳を傾けます。つまり「聞き」ます。そして次に何をするか・・・それは今まで聞いて積み重ねて来た知識を使って「話す」トレーニングをします。話せるようになってくると、今度は絵本に興味を示すようになります。「読む」トレーニングが始まります。そして、小学校に入ると今度は、ひらがなを「書く」ようになります。
これは私たちが言語を学ぶ時の4技能の習得の順序です。これが英語の学習にも当てはまると考えられています。「聞く」「話す」「読む」「書く」この順序で学習できると、よりネイティブに近い英語を習得できるでしょう。
そのためにも、「読む」「書く」ことに伸び悩んでいる人も「聞く」「話す」ことのトレーニングを積むことで読み書きも成長していきます。
ディスカッションの方法
「聞く」「話す」ことが大切だということがわかったところで、ディスカッションを通してどのようにトレーニングをつんでいくかを説明します。
■下準備■
① まずディスカッションを一緒にやってくれる仲間を集めよう。(4・5人がベスト)
② テーマを決めよう。*注意*ディスカッションはディベートとは違い対立するチームをつくるわけではないので、みんなが意見を述べやすいテーマにするのがいいでしょう。
③ そのテーマにでて使えそうな単語やフレーズを調べましょう。*注意*自分が使う単語やフレーズ以外にも、他の人が話題にあげそうなトピックなども調べておきましょう。
④ 自分の意見をまとめよう。*注意*この時自分が言いたいことをまとめることは大切、た・だ・し、一文一句準備してはダメです。キーワードやアウトライン程度にしましょう。
⑤ そのキーワード/アウトラインを使って話す練習をしましょう。(個人練習)
■ディスカッション■
⑥ みんなで集まってディスカッションを始めます。一人ずつテーマについて意見を述べていきましょう。
⑦ 意見を聞いている間は、それぞれの人の
・キーワード ・同意するところ ・自分とは意見が違うところ
を考えながら聞き、メモをとりましょう。*注意*この時、その人が使っている表現も一緒にメモをするとよりいいです。
⑧ 次に、それぞれの人に対してのフィードバックをしましょう。
例) Aさんの意見について、Bさん、Cさん、Dさんはどう思っているのかを述べます。「~」というところに同意です。なぜなら・・・・
*注意*・理由を述べること大切です。
・意見が違ったとしても、攻撃的になってはいけません。
「~」というところはとてもいいですが、私は「~」と思います。等
⑨ フィードバックが終わったら、一人ずつみんなの意見を聞いて自分の意見に変化があったか等、感想を述べる。
ディスカッションは一つの答えを導き出すことができなくてもかまいません。それぞれの人が意見を述べ、ディスカッションのテーマについてより深く考え、理解できれば良いのです。なので、意見が違う人がいても、「なるほど、そんな考え方があるのか」と理解ができれば良いのです。
ディスカッションの効果
ディスカッションでは、自分が準備した内容を話すだけではなく、相手の話を聞き、それに対しても意見を述べます。相手の話に対して意見を述べるためには、相手の使っている表現やキーワードを聞き取ることがとても大切です。聞き取ることができれば、ステップ⑧でフィードバックする際、相手が使っていた表現を使い、話を進めることができます。つまりディスカッションでは学び合いを通して、スピーキングとリスニング力を向上していくということです。つまり仲間が良い準備をすればするほど、たくさんのことを学ぶことができます。
最後に
言うまでもなく、ディスカッションを通して語彙力や表現力が広がれば、自然とリーディングやライティングも伸びます。言語を学ぶ際の4技能はどれをないがしろにしてもダメなのです。スピーキングとリスニングを鍛えて、より確実な英語力を身につけませんか? さっそく、ディスカッションを一緒にやってくれる人を探しにいこう!