物理の大原則「熱力学第一法則」を知らずして何を語る!
「熱力学第一法則」とは?
全ての物理の基本原則と言っても過言ではないのが「熱力学第一法則」です。
しかしながら、イメージが持てずに苦手意識を持つ人がとても多いんですよね。
教科書などを見ると、物体に与えた熱量をQ [J]、加えた仕事をW [J]としたとき、
物体の内部エネルギーの増加分ΔU [J]は、
って書いてあります。
なんだかこう書くと小難しそうですね。
でも、実はこれは凄く単純なことをあらわしていて、物体にエネルギーを加えればそれは内部に溜まるし、
物体が仕事をすれば溜まっていたは消費されるということです。
要するに熱力学的要素と力学的要素を含めたエネルギー保存の法則なのです。
符号には気をつけよう!
また、この法則は各量の正負について気をつけなければなりません。
内部エネルギーが増加する(温度が上がる) ΔU >0
内部エネルギーが減少する(温度が下がる) ΔU <0
物体を加熱する(熱が流入する) Q >0
物体を冷却する(熱が流出する) Q <0
外部から物体に仕事をする W >0
物体が外部に仕事をする W <0
あくまで、対象の物体を基準に考えているので、外部から熱エネルギーを得たり、
仕事をされた場合がプラスになります。
それではこの法則を利用した問題を見てみましょう。
例題
[K]、気圧、[㎤]の気体を、体積が自由に変えられる気筒内に閉じ込める。
圧力一定で温度を[K]にしたとき次の量を求めよ。
ただし、[K]、気圧のときの気体の密度は[g/㎤]、
圧力が一定の場合の気体の比熱は[Pa]とする。
(1)気体に加えられた熱量Q
(2)気体がした仕事W
(3)気体の内部エネルギーの増加ΔU
解答
(1)気体に加えられた熱量Q
定圧条件での比熱Cpが与えられているので、気筒内期待の質量をmとすると、
[g · Pa · K]
[J]
(2)気体がした仕事W
定圧条件なので、気体のする仕事はW=pΔVと表せる。
[㎤]
で求められるので、
[ g · ㎠ · s-2]
「J」
(3)気体の内部エネルギーの増加ΔU
熱力学の第一法則より
ΔU=Q+W
である.
ここでのWは気体が外部からされる仕事なので、
(2)とは符号が逆になることに注意すると
「J」