3次方程式の解と係数の関係をわかりやすく|数学勉強法
3次方程式の解と係数の関係
3次方程式 の解を とすると、解と係数の関係は以下のようになります。
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3次方程式の解と係数の関係の導出
3次方程式 は、3次方程式であるという前提より であるので、の係数 で全体を割ることで、
と書きかえることができます。
この3次方程式の解が であるということは、
…①
という式が成り立つことがわかります。
①の右辺を展開すると
となります。
必ず一度は、自分の手でこの展開をおこなってみてくださいね。数学は計算の経験の積み重ねによって身につく科目です!
改めて①を書き直すと以下のようになります。
両辺の の各次数の係数を比較すると、
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の3つの式が求まります。
この形を少しととのえれば、冒頭に示した3次方程式の解と係数の関係の3式
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となるのです。
3次方程式の解と係数の関係を用いた問題例
3次方程式の解と係数の関係が主となる問題は稀ですが、これが解っていないと、3次関数の問題の途中でつまずくことになりかねません。
また、3次方程式と虚数は切っても切れない関係にあります。3次方程式の解は実数解3つの場合より、実数解1つと虚数解2つの場合が圧倒的に多いと考えていいでしょう。
以上のことを踏まえた上で、簡単な例題を解いてみましょう。
例題1)
3次方程式 が実数解 と2つの虚数解 をもつとき、 にあてはまる値を求めなさい。ただし、 とする。
解き方)
まず、3次方程式 が、 を解にもつことから、
…①
つまりもとの方程式は、
であることがわかりました。
あとは、3次方程式の解と係数の関係を使いましょう。
まず、 を用いて、
…②
これで、虚数解の実部が求まりました。
残りは を使いましょう。
…③
ゆえに①、②、③より、
なので、
どうでしたか?
3次方程式、3次関数の問題では、このような単体ではなく、問題を解く過程で解と係数の関係を用いなければ面倒な問題が出ることがあります。
加減乗除のように、数学の基本的なテクニックとして、いつでもぱっと頭の中から「3次方程式の解と係数の関係が使えるかもしれない」と出てくるように身につけておきましょう。
センター試験でも数学Ⅱの範囲で、3次方程式の解と係数の関係を用いる問題が出題されています。
数学の問題は、ひらめきに頼らざるを得ないところがあります。そのひらめきの材料をひとつでも増やしておくために、3次方程式の解と係数の関係を身につけておく、もしくは導出できるようにしておきましょう。