相対速度の問題の解き方!向きと大きさに注意!|物理勉強法
物理を学んで行くと、物体の動きというものを扱う問題が良く出てきますね。
速さ・速度・加速度といった概念は日常生活の中でも馴染みがあるものなので、
何となく理解しやすいかと思うのですが、その後ぐらいに出てくる相対速度というやつは
なかなかイメージが難しく、混乱する人も多い部分です。
ただし、この相対速度の考え方は物理を考える上で非常便利なものですので、
きちんと理解しているかどうかはとても重要になってきます。
そもそも、相対速度とは何なのか、Wikipediaには以下のように書いています。
「相対速度(そうたいそくど、英語:relative velocity)とは、ある物体を別の観測者から観測したときの速度である。」
Wikipediaより引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E9%80%9F%E5%BA%A6
よく分かりませんね。
もう少し具体的な例を例題で考えてみましょう。
例題
A君は時速70kmで走る電車に乗っています。
その電車の横を同じ方向に車が時速60kmで走っています。
電車や車の進行方向を正とするとき、A君からみた車の速度を求めよ。
数式とかを考える前にまずは自分がA君だと思ってイメージしてください。
車よりも乗っている電車の方が早いので、電車が車を抜いて徐々に引き離していきますね。
これは電車に乗っている人なら日常でもよく見る光景ではないでしょうか。
この時、車はどれぐらいのスピードで引き離されているように見えると思いますか?
自分の乗っている電車が時速70kmで車が時速60kmだから…と、ここまでくればもう分かりますね。
A君から見れば車は時速10kmの速さで引き離されているように見えます。
これは言い換えれば、車は時速10kmの速さで後ろ向きに動いていることになります。
したがって問題の答えは時速-10kmとなります。
このように、動いているA君(動いている系)を基準に考えると周りの速度が違って見えるという
現象が起こります。このときの速度こそが相対速度というものです。
そして、実はこの相対速度という考え方は、少し視点を変えると普段の生活にも存在しています。
例えば、皆さんは地球が丸いこと、1日に1回転自転していることは知っていますよね。
では、宇宙で止まっている人から地球上の人を見るとどう見えると思いますか?
計算してみると…なんと、赤道上においては時速1669.8 kmで動いて見えるのです。
しかしながら、普段はそんな地球の回転運動のことを意識することはありませんよね。
これは私達がみな等しく地球上にいて、地球と一緒に回っているという運動を基準に
物事を考えることができているからなのです。
もし地球の回転をいちいち考えていたら、緯度によっても速度が違ってくるので
もう大変なことになりますよね。
(遠心力が働くから赤道の方が重力が弱くなるなんてのはまた別の豆知識)
このように、相対速度を考えることで物事が非常にシンプルに考えられる場合があるのです。
物理の問題においてもそういった場合を取り上げた問題が出ることがあるので気をつけましょう。