同素体と同位体の違いとは?簡単にまとめてみた|化学勉強法
同位体と同素体の見分け方を教えてください!という人がよくいますが、ある意味それは間違った質問です。
間違った質問というより、同位体と同素体は「見分ける」という行為の対象ではないから、この質問には答えようがないんです…(笑)
というのも、同位体と同素体はそもそもまったく別のもので、同位体と同素体の間にはたいした関係がないんです。
つまり、ここで理解しておくべきなのは、この2つがそもそもなんなのか?ということです。
それでは、説明に入ります。
・同位体(アイソトープ)
同位体は、同じ原子記号で表される原子なのに、原子核のなかにある中性子の数が違うもののことです。
たとえば、水素の同位体として、重水素、炭素の同位体として、炭素14(カーボン・フォーティーンとも呼ばれる)があります。
また、同位体は入試問題では、アイソトープと呼ばれることもあるので覚えておくと便利です。
・同素体
同素体は、1種類の元素だけでできた物質で、立体構造が異なるものどうしの「関係」を表す言葉です。
同素体という言葉は、
「○○と××は同素体の関係にある」
というように使います。
たとえば、
炭素原子のみからなる、ダイヤモンド、黒鉛、カーボンナノチューブ、フラーレンはそれぞれ同素体の関係にある。
酸素原子のみからなる、酸素、オゾンは同素体の関係にある。
硫黄原子のみからなる、ゴム状硫黄、斜方硫黄、単斜硫黄は同素体の関係にある。
というように言います。
同素体の例は、これだけではありません。
同素体のすべてを覚える必要はありませんが、ここに出てきたものは最低限、大学入試のためには覚えておく必要があります。
このように、同位体と同素体はまったく別のものです。
2つの単語がにているということに惑わされずに、もう一度正しく覚え直しておきましょう!