先生必見!あなたは生徒の手本になれていますか?
やってみせる
「やってみせる」とは手本を示す,ということです。体育の授業を例に挙げます。逆上がりの授業で先生が実際に逆上がりを実演してみせる場合とそうでない場合,どちらが生徒は信頼して言うことを聞いてくれるでしょうか。
教育に携わる立場である以上,自分が授業で教えることは実演できることであるべきです。できないことを教えていると自信の無さが生徒に伝わります。
準備を整え,生徒の前でいつでも実演できる状態にしておくことで,教育に対して前向きな態度を保てます。また実際の実演を通して,生徒からの信頼を得ることができます。
あなたは「やってみせる」ことができますか?
言って聞かせる
「言って聞かせる」とは,分かりやすく説明し理解させる,ということです。授業の内容を分かりやすく構成し工夫しておくのはもちろんのこと,生徒にきちんと聞いて理解してもらえるように意識して話すことが重要です。
また,生徒に対する教育的な指導が必要な場合,頭ごなしに怒るのと理由を説明して叱るのは全く別のことであることを常に心に留めておく必要があります。
教育には時に「叱る」ことも必要になります。約束事を守らなかったり,決められたルールを無視したり,周りに迷惑をかけたりしていたら,その時は指導が必要です。
「怒る」には感情が優先されていますが「叱る」には教育的な指導が含まれています。
大切なのは「生徒が理解できるように話す」という態度です。ただ言いたいことを言い放つのは一方的で暴力的ですが,理解できるように話すことを意識していれば相手の立場に立って物事を考えられるようになります。
あなたは「言って聞かせる」ことができていますか?
させてみる
「させてみる」とは,じっと見守りやらせてみる,ということです。教えたことがきちんとできるようになっているか,忍耐強く見守ることが必要です。
教えた通りにできないように感じると,ついついソワソワして口出しをしたりしていませんか?教員のその焦りは生徒に確実に伝わっています。どっしりと構えていましょう。「やってみせて」「言って聞かせた」後は,自分がきちんと伝えられたかを確認する意味でも,冷静になって生徒の様子を観察するプロセスが必要不可欠です。
「させてみる」ことで,生徒が何を理解できていないか,どんな手助けが必要か,正しく判断することができます。
あなたは忍耐強く「させてみる」ことができますか?
ほめる
「ほめる」ことは教育の基本です。ほめることで生徒に自信を持たせ頑張ろうとする活力を与えることができます。怒るのは得意でも「ほめる」のが苦手な教員が非常に多いです。
ほめることは相手を認めることでもあります。できたことに対して,「よくできたね!」,「前よりも成長しているね!」と声をかけられて嬉しく思わない生徒はいません。正しく評価ができなければ正しくほめることはできません。
先生は自分のことを見てくれている,と生徒に感じてもらうことが一番です。関心が自分に向いていないと思うと,なぜか問題行動を起こしてしまう生徒が多いのが現状です。「自分のことなんて忘れられている…」こんな風に思ってしまう生徒を作らないように気をつけましょう。
あなたは「ほめる」ことができていますか?
人を動かす
これまでに挙げた「やってみせる」「言って聞かせる」「させてみる」「ほめる」,を実践してはじめて「人を動かす」ことができます。教育現場における「人を動かす」とは,自立した学習者を育てることです。自主的に物事を考えて解決できるように,手助けするのが教師の役割です。
やってみせる
言って聞かせる
させてみる
ほめる
人を動かす
全てが揃わなくては生徒を指導しているとは言えません。
まずは自分自身の教育から
生徒と向き合う前に,自分が教育者としてふさわしい行動ができているか,考える必要があります。どんなに教歴が長くなっても,常にこの気持ちを忘れないでいることで成長し続けることができます。
あなたは…
「やってみせる」ことができていますか?
手本を示せるように努力していますか?
「言って聞かせる」ことができていますか?
分かりやすく理解してもらえるように話せますか?
「させてみる」ことができますか?
忍耐強く成長を見守ることができていますか?
「ほめる」ことができますか?
生徒の努力を認め,正しく評価していますか?
自分に問いかけてみてください。
大学時代の恩師にこの言葉を聞いてから,私は自分の教育に対する考え方が大きく変わりました。ただ自分の知っていることを伝えるのではなく,自分の姿を通して教えなくては教育にならない,と感じるようになりました。
生徒の前に立って恥ずかしくないかどうか,常に自問自答することで,常に新しい気持ちで授業が出来るように変わりました。
生徒を成長させるためには,まずは自分自身を成長させなくてはいけません。
まずは「自分自身の教育から」見直しましょう。
向上心を忘れずに,頭を錆びつかせずに,目の前の生徒と誠実な態度で向き合う教員が増えて欲しいと願っています。